「サイゼリヤ」は“お金じゃなくてセンス”が大事というLEON読者にこそ行ってほしい!
イタリア生まれのフード&ライフスタイルライター、マッシさん。世界が急速に繋がって、広い視野が求められるこの時代に、日本人とはちょっと違う視点で日本と世界の食に関する文化や習慣、メニューなどについて考える企画です。
「サイゼリヤの完全攻略マニュアル」などで知られるイタリア生まれのフード&ライフスタイルライター、マッシさんが、日本と世界の食に関する文化や習慣、メニューなどについて考える連載です。第2回は彼が心の底から愛する、そのサイゼリヤについて。えっ、LEONでサイゼリヤ⁉
価値のある料理は、価格で決まらない!
今日は読者の皆さんに、まるで友人の家に招かれたような心地よさを感じられる、ある場所を紹介しようと思っているんだ。僕はその場所が大好きで、話したいことが山ほどあるから聞いてくれる? それとも、一緒にいく? それがどこかと言えば、そう、皆さんの期待通り(笑)、「サイゼリヤ」だ。僕が日本に来てよかった理由の一つは、間違いなくサイゼリヤだ。この店に足を運ぶと、いろんな料理の香ばしい匂いと、アットホームな雰囲気が出迎えてくれる。パスポートなしでいつでもイタリアの食旅行が楽しめるなんて、夢のようだ! 日本で活動しているイタリア人の僕を支えてくれて、まるで恋に落ちたような気分だよ。 サイゼリヤは僕にとって、ただ安いファミレスというわけではない。なぜかというと、イタリア人が大切にしている「シンプルさ」の中に隠れている、人生の輝きを教えてくれるから。そして、イタリア人にとっては間違いなく、居心地の良い場所だと僕は思っているんだ。価値のある料理は、価格で決まらない!
たぶん、多くの人も同じだと思うけど、壁に飾られた絵画やイタリアの音楽、有名な観光地の写真に囲まれていると、心がワクワクして、気分が高まるよね! 実は、サイゼリヤの魅力はこれなんだ。サイゼリヤの内装は、イタリアのトラットリア(大衆的なレストラン)に近くて、気楽にワインから好きな料理まで注文でき、自分の家のようにまったりと過ごせる。まるで、おばあちゃんの家に帰ってきたような感覚。これが、本当に大事なポイントだ。僕はサイゼリヤの扉を開ける時、「Sono tornato!(ただいま!)」と言いたくなるよ。 そういうことで、無意識にサイゼリヤに行ってしまう僕は、なぜこうなるんだろうと考えた。そして気が付いたんだ! 一般的なレストランの「一度きりの美味しさ」より、「毎日楽しめる美味しさ」にこそイタリア人も、そして日本人も弱いってことに。