佐賀工がこだわった伝統のモール 前回4強スタメン2人だけも「スクラムとモールの練習はやりこんできた」【全国高校ラグビー】
◆全国高校ラグビー大会・佐賀工29―19松山聖陵(27日、花園ラグビー場) どどどど、と地響きがするかのような、すさまじい突進ぶりを佐賀工が見せたのは、前半ラストプレー。敵陣40メートル付近、ラインアウトからモールを形成すると、FWとバックスがまさに一体となり、一気にゴールまで突っ走った。 ■全国高校ラグビー組み合わせ 「佐賀工といえば、伝統のFWとモールで突進というのをずっと持ってきているので」と枝吉巨樹監督も納得顔。一度は逆転を許す苦しい展開だったが、計5トライでの逆転勝利に「モールで勝負ができる。そこにこだわったのはいい判断」と評価した。 ベスト4に進出した前回大会、東福岡との準決勝のスタメンから、この日も先発に名前を連ねているのは2人だけ。花園の第1グラウンドという大舞台の緊張感も相まって「経験がない分、焦っちゃって…」。主将のナンバー8、中辻大凱(3年)も苦笑いしながらも「ほぼ毎日、スクラムとモールの練習はやりこんできました」と胸を張った。 30日の2回戦はBシードの東海大大阪仰星(大阪第2)と対戦。優勝6回を誇る強豪とは今夏の菅平合宿で逆転負けした。この日スタメンFW8人の平均体重が93・9キロの佐賀工に対し、東海大大阪仰星のレギュラーFWは同99・3キロ。「デカい。すごいパワフル」と枝吉監督は警戒する。 高校日本代表候補のWTB内田慎之甫(3年)が足の違和感を訴えた後半直後に交代させたのも、次戦をにらんでのものだ。2回戦へ向け、内田の回復次第になるが「ボールを動かしていきたい」と枝吉監督が言えば、中辻主将も「セットプレーで流れをつくっていきたい」と見据える。ノーシードで臨む今大会。押して、組んで、走っての〝佐賀工らしさ〟で、大物食いをやってのけるつもりだ。