開始3分一発退場のパナ危機を34歳ラグビーW杯戦士の堀江翔太が救った!裸足で異例会見「けっこうしんどい」
心地よい疲労感が足元から伝わってきた。ヘッドコーチとキャプテンが臨むトップリーグの試合後会見。後者はそのままジャージー姿で登壇する慣例があるなかで、パナソニックワイルドナイツのフッカー堀江翔太はストッキングとスパイクを脱ぎ、裸足で会見場に入ってきた。 無傷の開幕3連勝を引っさげてキヤノンイーグルスのホーム、町田GIONスタジアムに乗り込んだ2日のトップリーグ2020第4節。異彩を放つドレッドヘアでお馴染みの、先月34歳になったばかりのワールドカップ戦士は、今シーズンで最長となる64分間のプレーを終えたばかりだった。 「しんどかったですね。ただ、自分のなかではけっこう動けていた、という感覚があるんですけど、それを決めるのは外の人たちなので。動けていると思われればそうなのだろうし、ちょっとトロいなとなれば、もっと頑張らなあかん、と思っています」 8人のリザーブに名を連ねていた堀江は、キックオフ直後にただ一人、慌ただしくウォーミングアップを始めた。前半わずか3分。タックルをハンドオフでかわそうとしたパナソニックのキャプテン、フッカー坂手淳史の左ひじが相手の首付近に入ってしまう。 TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)を介して、レフリーが示したのは一発退場を告げるレッドカード。同じポジションの堀江がすぐに準備を始め、ファーストスクラムが組まれた前半16分を待って、右フランカーのベン・ガンターとの入替でスクランブル投入された。 キャプテンではない堀江が会見に登壇したのは、数的不利をまったく感じさせない展開の末に、51-17のトリプルスコアで快勝した立役者だったからだろう。もっとも、コートに立った直後のベテランの目には、パナソニックの仲間たちが「ちょっと焦っていた」と映っていた。 「スコアも競っていたので、僕自身は焦りをどのように抑えようかと考えていました。14人にはなりましたけど、それでもやるべきことは変わらない。焦って自分たちの仕事以外のことをやり出さないように、自分たちが積み重ねてきたことをやり切れば大丈夫だ、という話をしました」