開始3分一発退場のパナ危機を34歳ラグビーW杯戦士の堀江翔太が救った!裸足で異例会見「けっこうしんどい」
帝京大学から2008年に加入した三洋電機ワイルドナイツ(現パナソニック)でも、メンタル的に同じような経験をしている。キャプテンとして2013-14シーズンから達成したトップリーグ3連覇へとチームをけん引し、2013年度と2015年度は日本選手権との二冠で花を添えた。 そして、キャプテンを後輩に託して3シーズン目。自分自身に対してフォーカスできる時間が増えたなかで、2015年から個人的にタッグを組んできたトレーナーで、京都府木津川市内で治療院を営む佐藤義人氏とのトレーニングをしっかりと継続している。 「とにかく身体のコンディショニング的な部分はすごくいいし、6月にはジャパンがある、みたいな考えがない分、メンタル的にもパナソニックに絞れているのがいいのかな、と」 責任感が人一倍強いがゆえに、多くのものを背負ってしまうのだろう。パナソニックでキャプテン、ラグビー人生で日の丸との距離がちょっと遠ざかった分だけ、楕円のボールにより集中できる。2014年から指揮を執るロビー・ディーンズ・ヘッドコーチは、いま現在の堀江へ賛辞を惜しまない。 「キャプテンではないが、立派なチームリーダーの一員として引っ張ってくれた。予期せぬ事態が起こったときに、人間としての真価が問われる」 4節を終えたトップリーグで先発は一度だけ。それでも常に万全の準備を怠らず、キヤノン戦で遭遇した緊急事態で完璧な役割を演じてみせた。頼れるベテランの視線はリーグ戦がオフになる次週を飛び越え、全勝同士で顔を合わせる15日の東芝ブレイブルーパス戦へと向けられている。 「東芝はええチームなので、まずはラグビーを忘れるくらい休んで備えたいですね」 連覇を目指す神戸製鋼コベルコスティーラーズを含めて全勝は3チームだが、3トライ差以上をつけた際に与えられるボーナスポイント1を、数的不利だったキヤノン戦を含めたすべてで得ているパナソニックが単独首位に立つ。4シーズンぶりの頂点へ近づくほどに堀江がたぎらせる炎も燃え盛り、日本代表のジョセフ・ヘッドコーチも放っておけない存在感の源泉と化していくはずだ。 (文責・藤江直人/スポーツライター)