【特集】「『完治という言葉がない』と言われ絶望」“体操のひろみちお兄さん”こと佐藤弘道さんを突如襲った『脊髄梗塞』 下半身麻痺による過酷な闘病と死すら考えた“どん底”の日々…支えとなった家族との絆と、妻・久美子さんが初めて伝える想い
「迷惑をかけてごめん」―毎日のようにその言葉を繰り返す夫を前に、久美子さんは“自分の落ち度”を探し、後悔の念に苛まれることもあったといいます。 (久美子さん) 「発症を考えると、朝から兆候があったので、今思うと、私がそこで止めて、息子を呼んだり、救急車を呼んだりして、もし手当てができていたら、もしかすると…って」
しかし、暗くなりがちな空気を変えてくれたのは、2人の息子でした。 (久美子さん) 「病室のカーテンをバッて開けたら、目の前のソファに『Uber Eatsです』と言って長男がいて、『こちら臭い付きのお父さんの靴下を持ってきました』って言って(笑)もう号泣で、主人が号泣で、抱き合って…」
家族総出で取り組んだ『パパをポジティブにしよう』キャンペーン。やがて、佐藤さんの心に、変化が訪れます。 (久美子さん) 「本当にポジティブで楽しくなったので、カーテンを開けた光の中で上半身を鍛えている裸の写真が上げられた時に、『あ、もう大丈夫かな』と」 佐藤さんは本来の明るさを取り戻し、リハビリも懸命に取り組みました。
実は、この2か月余りの入院期間中、久美子さんと子どもたちの間には、ある約束があったといいます。 (久美子さん) 「『頑張って』は、あまり言えなかったです。多分、本人が一番頑張っているので、私たち3人は、主人の前では一回も涙は見せていないです。毎日、いつもの佐藤家らしい笑顔で、何があっても笑顔で返すみたいな」
最後に、久美子さんから佐藤さんへ、退院後も伝えられずにいた“想い”を語っていただきました。
(久美子さん) 「早期退院、本当におめでとうございます。当たり前だったことが当たり前じゃなくなっちゃったけど、本当に、一緒に今こうやっていられることが…」 涙を堪えきれなくなる久美子さん。
(久美子さん) 「まだ恥ずかしくて、退院してから一緒に手をつないでお外には出ていないので、体育会系の私たちはあまり手をつないで外に出ることはないんですけど、もしよかったら、これを機に“中高年のおじいちゃん・おばあちゃん”になった気分で、手をつないで一緒に歩きたいなと、今すごく思っています。仕事の缶詰めになり過ぎず、自分でやりたいことを見つけて、それを私たちが一緒にサポートできればいいなと思っているので、これからも一緒に楽しい人生を送っていきましょう。頑張って!」
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