藤田菜七子の父親が語る…引退直前に「娘から送られてきたLINE」と「電撃引退への本音」
実家に届いた連絡
「(スポーツ紙の)記事には、“(菜七子が)両親に相談した”とありましたが、そんなこともなかったんです。一言『やめたよ』と連絡がきました。LINEですかね、妻あてに。『やめたよ』と」 【写真】えっ、こんなに…藤田菜七子の「変化」を見る! こう淡々と明かすのは、11日にJRAの騎手を電撃引退した、藤田菜七子(27歳)の父親だ。 藤田の引退届が受理されたその日の夜、本誌記者が茨城県内の実家を取材に訪れると、父親は終始目を落としながらも、その胸のうちを語ってくれた。 藤田は競馬学校の騎手過程を卒業後、根本康広厩舎に所属。2016年のデビュー時には16年ぶりに誕生したJRA女性ジョッキーとして注目を集め、「菜七子フィーバー」を巻き起こした。 その後、3年目の18年には、JRA女性最多勝利記録を樹立。翌19年にはコパノキッキングでJRA女性騎手初の平地重賞(カペラステークス)勝利、初めてのGI騎乗(フェブラリーステークス)で5着になるなど、順調な道のりを歩んできた。 競馬界に新しい風を吹き込んだ彼女の身に、一体何が起きたのか――。
突如報じられた「スマホ不適切利用」
事の始まりは、2023年4月までに調整ルーム内で複数回、藤田のスマートフォンの不適切利用があったことが、10月9日付の「文春オンライン」で報道されたことだ。 全ての騎手は、外部との接触を断ち八百長等の不正を防止するため、競馬開催日の前日夜から調整ルームに入室し、スマホなどの通信機器を預けることが義務付けられている。 「文春の報道を受けて、9日、JRAが本人に事情聴取をしたところ、ルーム内での他者との通信を認めた。それを受けて10日に騎乗停止処分が下されましたが、その際に本人が引退の意思を伝え、翌11日に引退届が受理されました」(競馬専門紙記者) 10月初週の新潟開催では2日間で計7鞍に騎乗し、元気な姿を見せたばかり。あまりに突然の出来事だった。
明らかになった「虚偽申告」
今回、JRAが通信機器の不適切利用以上に事態を重く受け止めたのは、藤田がスマホ利用を巡って、虚偽の申告をしていたことだった。 「2023年5月、若手騎手6人によるスマートフォンの不適切利用が発覚しました。その際、JRAが全騎手に聞き取り調査を行ったところ、藤田は唯一、自己申告で『調整ルーム内でTwitter(現・X)とYouTubeを閲覧した』と申し出ていた。 当時の規則では『ルーム内での通信』が違反で、持ち込み自体は禁止ではなかったため、JRAは口頭で厳重注意としていました。ところが、今回の文春の報道により、外部との通信があったと新たに判明した。そのことが重く見られたのです」(前出・競馬専門紙記者) JRAから引退勧告がなされたわけではなかったが、藤田自らけじめをつける形になった。