【特集】「『完治という言葉がない』と言われ絶望」“体操のひろみちお兄さん”こと佐藤弘道さんを突如襲った『脊髄梗塞』 下半身麻痺による過酷な闘病と死すら考えた“どん底”の日々…支えとなった家族との絆と、妻・久美子さんが初めて伝える想い
■「一歩でも前に行けるように…」入院後すぐに始まった壮絶なリハビリ生活、ついたあだ名は“鬼の佐藤”
入院後は、すぐにリハビリが始まりました。下半身が全く動かず、まずは足の指先を動かすことから。右足の麻痺が治り始めてからは、右足の上げ下げ。そして、平行棒や歩行器を使っての歩行練習をしたといいます。 Q.入院後、すぐにリハビリが始まるんですね? (佐藤さん) 「脊髄梗塞の場合、リハビリは早ければ早いほど良いということだったので、下半身はほとんど動かなかったんですが、入院して3~4日目にはリハビリを始めていました」
妻・久美子さんによると、「『絶対に歩くんだ』という強い意志で、寝ている時以外はリハビリしているような状態。必死の形相でリハビリする様子を見た周囲からは、“鬼の佐藤さん”と呼ばれていた」といいます。 Q.今もされていると聞いていますが、リハビリはつらいものでしたか? (佐藤さん) 「そうですね。今も継続的にはやっているんですけど、最初は何もできなかったので、肉体的にも精神的も本当にきつかったです。1か月で5kg落ちて、それだけ筋力も低下していたので、それを取り戻すのも大変でした」 Q.必死でリハビリをして“鬼の佐藤さん”と呼ばれていたということですが、ご家族がいらして、前向きになられたのもありましたか? (佐藤さん) 「一歩でも歩ければ家に近づけるでしょうし、一回でも自転車を漕げればまた皆に会えるだろうし…ということを考えながら、一つでも一歩でも前に行けるように、リハビリは頑張っていました」
■「いつもの佐藤家らしい笑顔で」落ち込む夫妻を救ったのは、2人の息子たち
つらい闘病生活を支えてくれたのは、ご家族の存在でした。 (佐藤さんの妻・久美子さん) 「リハビリが始まってからは、もう本当にすごい。例えば、先生が『もう今日はここまで』と言ったら、『あと5分、お願いします。あと10分、お時間があれば、お願いします』と言っていたみたいで。“追い込みの佐藤”と言われていて(笑)」
佐藤さんと久美子さんは、連れ添って30年。入院当初、今まで見たことがない夫の姿を目にしていました。 (久美子さん) 「あれだけ体育会系で、本当にネガティブなことを言わない人が、『もう俺は一生車いすで、迷惑をかけてしまう』『ごめんなさい』しか言えない」
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