マジョルカ移籍の久保建英が即デビュー…途中出場ながら大声援を受け存在感示す…「五輪を経験し選手としてより良くなった」
直接フリーキックを放った場面以外は、ベティスのゴールへ迫る場面はなかった。試合を[4-3-3]で臨んだマジョルカは、久保の投入とともに[4-4-2]にスイッチ。久保自身も中盤の左サイドから、後半27分以降は慣れ親しんだ右サイドへ移行。ボールに触れない時間が多くなっていく展開で、守備で懸命に走り回った。 「オリンピックでは忘れられない経験をした。(日本の)メディアの方々にも同じようなことを言いましたけど、10年後に僕がもっと大人になったときに唯一、大事なのは結果。マジョルカでも同じことを考えているし、僕がやらなければいけないこともわかっている」 気心の知れた顔なじみの選手が多く、居心地がいいという単純な理由で復帰を決めたわけではない。自分のなかで“トゲ”として残る2年前の悔しさを、成長した自分にできる最大最高のプレーを介して1部残留以上の成績に導く、キャリアのなかでの結果に置き換える。絶対的な自信を抱いているからこそ、胸を張ってマジョルカへ帰ってきた。 東京五輪の3位決定戦でメキシコに屈し、人目もはばからずに号泣してから9日。悔しさを前へ進む力に変えて、精かんさを増した久保がピッチに入る際には、コロナ禍で入場制限があるなかでスタンドへ駆けつけたサポーターから「タケコール」が降り注いだ。大きな可能性を託された20歳の若武者の、新たな戦いが幕を開けた。