面白いと評判の野球解説者に聞いた。プロ野球12球団キャンプどこを見る?
今日2月1日からプロ野球12球団の春季キャンプが一斉にスタート。米国アリゾナで1軍キャンプを行う日ハムを除く国内11球団は沖縄で6球団(ヤクルト、横浜DeNA、中日、阪神、ロッテ、楽天)、宮崎で5球団(広島、巨人、西武、ソフトバンク、オリックス)が開幕へ向けての準備に入る。古巣千葉ロッテの沖縄・石垣島から恒例の“キャンプ巡礼”をスタートする面白いと評判の評論家、里崎智也氏に見どころを聞いた。 ――待望のキャンプイン。昨年は話題が乏しい?と言っていたけど今年は? 「そんなことを言っていましたっけ?(笑)。今年は監督もセパで5人代わっていますしストーブリーグの動きも活発でした。注目の新人も多いので、楽しみな話題は多いですよね」 ――見どころは? 「チェックしていくのは“たられば”の確認。各球団共に、活躍してくれたら、復活してくれれば、と期待をこめて構想を練り、新戦力を揃えたわけですよね。その新外国人と、新人、移籍組などの新戦力。それにチームが抜擢しようとしている若手選手と復活組です。ただ新外国人は、キャンプ、オープン戦だけでは評価は難しい。 開幕してからの対応力でガラっと変わります。例えば去年の阪神ロサリオ。キャンプでは評判でしたよね? 横浜DeNAのソトが41本も打ってタイトルを取ると誰が予想しました?、評論家として目の前で見てきたものに対しての分析、予測はしますが、“こういう選手は活躍できる”というような定義のようなものはないんです。それと毎年言っていますが、新人はプラスになれば儲けものという程度で計算の立たないものですからね」 ――新人で言えば、中日の根尾、日ハムの吉田、ロッテの藤原、広島の小園と、昨夏の甲子園を沸かせた高卒のドラフト1位が話題になっている。 「高卒ルーキーで新人王を取った選手は、野手で言えば、パでは1986年の清原和博さん、セでは1988年の立浪和義さんまで遡らねばなりません。新人王になっていませんが、レギュラーを取ったのも松井秀喜さんくらいです。あれだけ話題になった清宮にしても、1年目の成績を見て下さい。 投手でも、松坂大輔に田中将大の2人。新人王を獲得しなかったメンバーからは、ソフトバンクの武田翔太、阪神の藤浪晋太郎、楽天の松井裕樹らが戦力になっていますが、それくらい稀なんです。データが物語っています。根尾は故障、吉田もチーム方針で2軍スタートとなっていますが、そう考えると無理させる必要はないと思います。じっくりと2軍で育成するメリットの方が大きい。高卒ルーキーが1軍キャンプに入れば周りは年上ばかりでいらぬ気を使うだけ。同期のいる2軍ならばしっかりとコミュニケーションも取りながらプロでやるべきことに集中できますよ」 ーー話題性のある新人が1軍に合流すればチームへの刺激という面でプラスはない? 「レギュラーの当落線上にある選手は自分のことで精一杯ですよ。ルーキーを気にしている余裕なんてありません。チームとしての話題性ならメディアは2軍キャンプにだって行きますからね」