面白いと評判の野球解説者に聞いた。プロ野球12球団キャンプどこを見る?
――確かに中日は根尾が戦力になれば優勝できるというわけでもない。 「中日は投手陣に不安が残っています。昨年は、あれだけ打線が打って最下位争いです。そこにチームの勝ち頭だったガルシアが抜けたわけですから。ブルペンを見ても左の中継ぎだった岩瀬も抜け、ストッパーが誰になるかも確定していません。新外国人のロメロがガルシアの穴を埋めたとしてもプラスアルファが必要になります。そのあたりの与田監督の構想もキャンプのチェックポイントでしょうが、Aクラス浮上への材料は少ないですね」 ――新監督で言えば、その中日与田監督、巨人原監督の復帰、阪神矢野監督と、セは3球団で、パはオリックス西村監督、昨年途中から指揮をとった楽天平石監督の5人。そのキャンプ采配もチェックポイントになる? 「どんなキャッチな練習するのか。どんな発言するのか。そこは注目ですよね。でもね。今年でキャンプ視察は5年目になりますが、よくわかったのは、どのチームも大筋ではやっていることはそう変わらないということです。 落合さんが、中日の監督時代にシーズンと同じ6勤1休にしたり、2月1日に紅白戦を行い、朝から晩まで何箇所も使って徹底してバッティング練習をしたり、違ったことをやられていましたが、そこまでやるケースは異例でしょう。 多少の工夫はあっても監督が代わってキャンプの中身が大きく変わることはないんです。よくある珍メニューって意味あります? 継続的に行わない練習に効果は生まれません。監督が代わって一番に変わることは、使う選手、使いたい選手が変わるということでしょう。その点はキャンプ、オープン戦である程度は見えてくるのかもしれませんが」 ――やはり現時点での優勝候補は、広島とソフトバンク? 「セでは広島、パではソフトバンクの戦力が整っています。現時点で優勝予想を?と言われれば、この2球団になります」 ――広島は長野で丸の抜けた穴が埋まる? 「埋まるんじゃないですか。昨年は規定打席には届かなかったけれど、打率.290に13本塁打を打っています。毎年、春先は調子悪いんですが、安定した成績は出すんです。丸くらいの成績は無理でしょうけど、野間もいますしチームの戦力としては形になりましたよ」 ――追撃するのは?巨人 「追い落とす可能性のある球団はどこなのか。さらにBクラスからの逆襲を果たす球団はどこなのか、と考えるとき、逆にAクラスから落ちる要素のある球団を探すことになります。セでは、どっちに転ぶかわからないという点で注目は巨人でしょう。優勝だってあると思うんですよ」 ――賛否両論ありながらも大量補強した。 「つまるところ巨人の浮沈のカギは中継ぎ、抑えの整備なんですよ。丸が入って打線は活発化しますよね。4番候補のビヤヌエバはわからないですが、問題は抑え候補の新外国人のクックでしょう。 そして、その前のセットアッパーをどうするのか、マシソン、上原、沢村なのか、昨年後半試していた畠や池田なのか。キャンプでは、その方向性が出てきますよ。チーム防御率はリーグトップだったのにブルペンをしっかりと固められなかったのが巨人の敗因です。そこに勝利の方程式を構築できれば優勝の可能性が出てきます」