「原発依存度低減の方針に変わりなし」松野官房長官が会見6月3日(全文)
家族の在り方が少子化抑制を妨げているのでは
安積:フリーランスの安積です。本日、厚労省が発表しました人口動態統計によると、合計特殊出生率が1.30で、前年から0.03ポイント減ったということで、出生数が過去最少更新となりました。なかなか子供が生まれないというのは子供を育てにくい社会環境があると思いますが、そもそも今日本がモデルとしている共稼ぎとか、核家族とか、そういった家族の在り方自体が、やはりたくさんの子供を抱えるということに無理があるのではないかと思うんですけども、長官、いかがお考えでしょうか。 松野:今、お話をいただきましたとおり、厚生労働省から人口動態統計の概数が公表され、令和3年の合計特殊出生率が1.30と、前年より0.03ポイント低下をいたしました。これは29歳以下の母親の年齢階級で出生率が低下をしたことが影響したものと考えられますが、新型コロナウイルス感染症の影響等も含め、この統計から要因について申し上げることは困難であるかと思います。その上で、少子化の進展はわが国の社会経済活動の根幹を揺るがしかねない問題であります。わが国の最優先で取り組むべき課題の1つであり、しっかりと対策を講じていくことが必要であると考えております。 少子化の背景でございますけれども、若者の経済的不安定さや長時間労働、子育てに掛かる経済負担など、結婚や出産、子育てへの希望の実現を阻むさまざまな要因が絡み合っているものと考えております。政府としては、少子化社会対策大綱に基づき、不妊治療への支援、保育の受け皿整備、男性の育児休業取得促進など、総合的な少子化対策を推進し、子供を安心して生み育てることができる環境の確保を図っていく考えであります。
原発の依存度低減方針を転換するのか
朝日新聞:朝日新聞の西村です。話題変わりまして、原子力についてお伺いします。今回の「骨太の方針」の原案では、昨年に記載があった、可能な限り依存度を低減という文言が消えて、最大限活用するというのが盛り込まれています。福島第一原発事故以降、エネルギー基本計画では一貫して原発の依存度低減を明記してきましたけれども、政府としてそうした方針を転換するという趣旨なのか、もししないのであれば、今回の依存度低減というのを削った理由についても教えてください。 松野:昨年10月に閣議決定したエネルギー基本計画において、原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減するとの方針を示しており、その方針に変わりはありません。今回の「骨太方針」原案におけるエネルギー安全保障の項目では、当面の難局を乗り越えるための方針が示されていますが、ロシアによるウクライナ侵略や、電力需給の逼迫といった状況を踏まえて、再エネ、原子力などのエネルギー安全保障および脱炭素の効果の高い電源を最大限活用するとの方針を示したものであります。引き続きエネルギー安全保障を確保した上で、2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラルという野心的な目標の実現に向けて、脱炭素化の取り組みも進める考えであります。 朝日新聞:朝日新聞の西村です。方針を変えないのであれば、依存度低減はむしろ残しておくべきかと思うんですけれども、その文言を削った理由っていうのはあるんでしょうか。 松野:先ほどお答えをしたとおりで矛盾するものではないというふうに考えておりますが、詳細は経済産業省にお尋ねをいただきたいと思います。 朝日新聞:引き続きになります、【******00:14:30】ください。朝日新聞の西村です。今の、じゃあ再生可能エネルギーの拡大で原子力の依存度を低減させていくっていうのは堅持したままで、それでいて最大限の原発の活用をしていくということは、あくまで今利用できる原発の活用であって、新創設とかリプレースという趣旨を指して、最大限活用ということではないということでいいんでしょうか。 松野:先ほど申し上げましたけれども、方針に変わりはありません。今回の「骨太の方針」原案においては、当面の難局を乗り越えていくためにということで書かれたものであります。詳細につきましては、先ほど申し上げましたけれども、経済産業省にお尋ねをいただきたいと思います。 男性:ほか、よろしいでしょうか。はい。ありがとうございました。 (完)【書き起こし】松野官房長官が会見6月3日