マッシュスタイルラボと大網のECリーダーに聞いた「ネッ担アワード」。モチベーションアップ+業界で横のつながりを作れる魅力とは?
自らの評価につながる機会を持つべき
――「ネットショップ担当者アワード」はEC業界で活躍する人を増やす、光を当てるなどの目的で開催している。受賞者として、ECの現場で汗を流す担当者や責任者にメッセージをお願いしたい。 今井氏:EC業界には、イベントなどに頻繁に登壇するような著名な人だけにとどまらず、実績をあげている人や、自社のEC事業のさらなる向上に向けて頑張っている人は多くいる。そうした人材は、おそらく8割は世間に露出しておらず、発掘されていないと思う。 アワードの受賞を通じて、自分から出て行くチャンスがあるのなら積極的に出て行って評価される機会を作ってほしいと思うようになった。そうすることで自信や仲間を得られたり、自分の顕彰にともなって部下がやっていたことも評価されたりする。モチベーションアップにもなる。 ECでリーダーや責任者として活躍している人にはぜひアワードに立候補してほしいし、「頑張っているけれど日の目を見ていない」という人が周りにいたら推薦してほしい。そうすることでチャンスがめぐり、何かが変わると思う。また、横のつながりを増やせるという意味では、授賞式に参加することにも意義がある。 小林氏:EC業界の物販分野は10年以上、市場規模を伸ばしている。勢いのある市場で仕事をしているだけに、新たな意見を提案しやすいとも言える。市場規模が拡大していることを武器にして、経営者にECに投資することを提案し、自分の存在をアピールしても良いのではないか。 アピールするきっかけとしてアワードに応募してみるのも良いと思う。社内外で自分の仕事に注目してもらって、自分が仕事で実現したいことにつなげていってもらいたい。 ■ 社内での円滑なコミュニケーションを創出 ――小林さんにお伺いしたいが、チームメンバーのケアをしたり、チームのモチベーションアップを図るために工夫されている点などがあれば教えてほしい。 小林氏:あみあみ事業自体の規模が大きくなって他部署との連携も増えたので、些細な情報でも集まるように堅苦しくないコミュニケーションを取る、「この人は頼れる」という印象を持ってもらえるようにしている。自分が管掌するマーケティング課のチームメンバーは20人くらい。 たとえばトラブルの報告を受けたとしても、まずは報告してくれたことに感謝して、個人の責任を追及するようなことはしない。一緒に対応を考えていくことを意識している。 ■ EC以外の業務経験がEC運営にも生きる ――今井さんにお伺いするが、EC事業のグロースにあたり、自身の経験で礎になったことを教えてほしい。 今井氏:店舗でのスタッフ経験、店長経験、さらには営業を経験してからEC事業に携わるようになったことだ。お客さまに直接接客して売ることや、チームマネジメントを経験してきた。こうした経験なく、いきなりECを担当したとしたら、うまくいっていなかったと思う。オンライン画面越しのユーザーのリアクションや、ECサイト上で商品を販売するときに「ユーザーはこう感じるだろう」ということが想像しにくかったのでないか。 ユーザーのリアクションなどの温度感を感じ取る嗅覚が、ECでのUI設計にもつながっている。ECの運営は未経験の状態で責任者になったので、広告の仕組みやノウハウはわからず、現場のなかの声を生かすしかなかったが、それがECの運営にダイレクトにつながってきた。 コンバージョンなどの実績は、施策やアクションの結果として得られるものなので、結果論より先に行動を起こすようにしている。 EC事業の配属になっても、新人は1~2年店頭販売を経験する。嗅覚を磨くことはとても強みになるからだ。販売と営業経験が重要だと思う。 マーケティングに縛られると効率重視になってしまう。それよりも、ユーザーが楽しめることを意識していきたい。施策やアクションの結果、離脱してしまうユーザーがいても、一方でリピーターになってくれるユーザーの獲得につながれば良いと思っている。 ◇ ◇ ◇