はやぶさ2が人工クレーター実験を予定 JAXA会見(全文1)4月4~6日に衝突装置運用
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は18日午後、JAXA東京事務所で記者会見を行い、小惑星「リュウグウ」を観測している小惑星探査機「はやぶさ2」の現状と、人工クレーター実験について説明した。 【動画】はやぶさ2、人工クレーター生成実験の詳細は? JAXAが会見 ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「はやぶさ2、人工クレーター生成実験の詳細は? JAXAが会見」に対応しております。 ◇ ◇
登壇者の紹介
司会:本日は説明会にお集まりいただきありがとうございます。定刻になりましたので、小惑星探査機「はやぶさ2」の3月第2回目の記者説明会を開催いたします。 まず初めに、登壇者の紹介をいたします。皆さまより向かって右手から、JAXA宇宙科学研究所、研究総主幹、久保田孝。同じくJAXA宇宙科学研究所「はやぶさ2」プロジェクトチーム、佐伯孝尚。佐伯はプロジェクトエンジニアを担当しております。続きまして衝突装置・サイエンス担当、サイエンスの担当をされております、千葉工業大学惑星探査研究センター主席研究員、和田浩二さま。続きまして、分離カメラDCAM3・サイエンス担当の神戸大学大学院、理学研究科、惑星学専攻科、技術専門職員の小川和律さまの4名になります。私は本日司会進行を担当いたします、広報部報道メディア課、永松です。よろしくお願いいたします。 それでは登壇者より小惑星探査機「はやぶさ2」の記者説明会について、資料の報告を行います。お願いいたします。
はやぶさ2運用の現状と今後の予定
久保田:はい。本日もお集まりいただきましてありがとうございます。資料に基づきまして説明をしたいと思いますが、ページをめくっていただいて本日の内容ですけれども、衝突装置につきまして詳細をご紹介したいというふうに思っております。目次が3ページにありまして、この順番で説明する予定でございます。 4ページ目、5ページ目はいつも出しております「はやぶさ2」の概要で、特に変更はございませんので今日の説明はなしとさせていただいて、6ページ目ですけれども、タッチダウンからその後行ったこととしましては、降下観測運用、DO-S01というのを行いまして、これは3月の6日から8日に行いました。高度を22メートルまで下げて観測をしまして、タッチダウン候補地の観測を行いましたので、後ほど紹介いたします。 それから衝突装置運用につきましては、クレーターの探索運用、事前と書いてありますけども、衝突装置を使う前の観測を、CRA1を出しまして、これを3月の20から22日に行う予定でスケジュールを入れております。 降下運用ですけど7ページ目になります。3月6日から8日まですでに実行しておりますけれども、S01を低高度での観測を目的として行いまして、高度22メートルまで行ったということです。それからクレーター探索につきましては先ほどお話ししましたように、今度は高度を約1.7キロメートルまで下げて観測するということで、詳細は後ほど説明したいというふうに思っております。 8ページ目になりますけれども、S01の場所がコロポッククレーターの左側になりますけども、S01というふうに赤で書いたところで、この地点が約20メーター、20メーターの場所になりまして、ここの観測を行いました。クレーター1の運用というのは黄色で枠で囲んだところで、だいたい200メートルぐらいというふうに思っていただければと思っております。これも詳細を後ほど紹介します。 3月に行いました降下運用ですけども、これはリハーサルタッチダウンとほぼ同じようなシーケンスで、秒速40センチで高度を下げまして、高度5キロメートル程度で減速をしまして、秒速10センチで近づいて高度22メートルまでいったところで観測を行って、秒速70センチで戻ってきたということを行いました。以前お話ししましたけれども、詳細なデータを今解析中でございまして、心配しておりましたカメラW1につきましては受光強度が約半分ほどになっていて、たぶんダストだと思いますけどもレンズに付いてるっていうような現象が見られております。 そのほかの機器につきましても引き続き確認中ですけれども、タッチダウンにつきましてはさらに詳細な検討を行いますけれども、SCIという衝突装置の運用につきましては特に問題ないということを確認している次第でございます。 今日お見せする画像が10ページ目、これが、本日初めて出しますけれども、S01というタッチダウン航法の写真を撮像したものでございまして、これはカメラのONC-Tを用いて観測したもので、岩石等が見られるかと思いますけれども、高度約35メートルでONC-Tで撮像した映像でございまして、中には、これスケールがちょっと右側に入っておりますけども、1メートルとか23センチとか書いてありますが、もう少し上のほう行くと60センチぐらいの岩も見られておりまして、こういうデータを基に地図を作ってる最中でございます。 今度行います、3月20日から行いますクレーター1という探索運用でございますけども、基本的にはタッチダウン運用と同じようなシーケンスで行いまして、3月21日の、これは探査機時間で8時57分、通信に約片道18分掛かりますので、地上では午前9時15分に降下を開始しまして、最下点、高度1.7キロメートル付近ですけども到達するのが3月22日の早朝、地上でいきますと午前4時ぐらいに1.7キロメートルぐらいに高度を下げて、ここで先ほどの黄色で示しました場所の観測を行って、衝突装置がぶつかる前の画像データ等を撮る予定でございます。これが1時間半ぐらい観測したのちにまた戻ってくるというシーケンスを考えている次第でございます。 以上が今まで行ったことと今後の予定でございまして、詳細につきましては担当者から説明をしていただきます。