はやぶさ2が人工クレーター実験を予定 JAXA会見(全文1)4月4~6日に衝突装置運用
衝突装置の運用の概要
佐伯:はい。それでは3と書いてある衝突装置の運用について簡単にご説明差し上げます。目的、まず目的と概要なんですけれども、これもう皆さんご存じだと思いますけれども、衝突装置というのは小惑星のリュウグウの表面に人工クレーターをつくるための機器です。新たに「はやぶさ2」で開発された機器になっています。クレーターの中を、クレーターができますとその中を調べたりすることで小惑星のいわゆる表面だけではなくて、内部の情報を知ることができるということを期待されて開発されています。 後日、生成されたクレーター付近にタッチダウンをして、表層の物質採取を試みるって書いてあります。このタッチダウンに関しては先日のタッチダウンでも相当苦労しましたが、表面の状態に依存してしまうところとか、そもそもクレーターがどこにできるかとかに依存してしまいますので、必ずやるというわけではもともとお伝えしていたようにございませんので、できる場合にはその周りにタッチダウンするということを狙っているという状況になります。 運用の日程なんですけれども、SCI運用が決まりまして、4月の第1週とお伝えしていたんですけれども、およそ4月4日から6日の間です。4月4日に降下を開始して、4月5日にメインイベントがくるというような状況になっています。クレーター生成日時と書いてありますけれども、これが今の、現在のSCIが動作する時刻ですね。いわゆる弾丸が飛んでいく時刻になりますけれども、これが4月5日の日本時間ですけれども、お昼ごろ、11時36分ごろを予定しています。それでは次のページですね。
衝突装置の構造など
これも概要ですので簡単にご説明差し上げますけれども、SCIは、そもそもSCIってSmall Carry-on Impactorといって、小さな衝突装置、持っていける、可搬型の衝突装置という意味で付けられています。実物は右のほうの写真にありますように円錐形というか、円柱の中に円錐が入っている、なんですかね。まさにこの中に収まっている、図のように収まっているところですね。はい、すいません、分かりにくいですね。 この円錐の部分が実はここが弾を出すところでして、ここに爆薬が、実はこの赤いところ、Explosive partと書いてありますけれども、爆薬がぎっしり詰まっていて、このエネルギーを使用して、一番下に書いてある銅板を前に押し出すということをやります。この左の図のように変形しながら飛んでいます。 重さ自体はこの衝突装置、結構実は重くて、14キログラムです。これ本体、分離機構を除いて、本体がおおよそ14キログラムですね。で、爆薬部、円錐の部分がおよそ9.5キログラムですね。その中の爆薬がおよそ5キログラムぐらいになっています。飛んでいく部分、これは銅の弾が飛んでいくんですけれども、その銅板ですね。これがおよそ2キログラムぐらいの弾が飛んでいくと予想されております。これはちぎれて飛んでいくので、もともとの銅板自体は2.5キログラムあるんですけれども、そのうちの2キログラムが飛んでいくということになります。 爆薬は非常に強力な爆薬を使っていまして、一番特筆すべきはこれ火を付けてこの弾が2キロメーター・パー・セックですね。1秒間に2キロメートル進む速さになるまで、1000分の1秒、1ミリセック以下で加速できるということが非常に大きな特徴になっております。次のページですね。