はやぶさ2が人工クレーター実験を予定 JAXA会見(全文1)4月4~6日に衝突装置運用
地上試験の様子の紹介
これも何度か別のところでもご説明差し上げたかもしれませんけれども、いくつか地上での試験をやっています。これ2011年です。あともう1回、2013年にもやっているんですけれども、最初のほうの試験の予想をここに載せさせていただいています。これは地上で実際に先ほどのインパクターを動作させて弾を飛ばすという試験をやっています。実際100メートルぐらいの距離を飛ばしまして、左側の丸1と書いてあるのが実際に打ったときの写真ですね。火が出ているの分かると思います。 丸2が飛翔体の形状。これが要は小惑星に当たるものですね。弾丸の形状になっています。これが先ほど申し上げたように秒速2キロメートルで進むとい うことです。およそソフトボールぐらいの大きさになって飛んでいくようなイメージですけれども、ヘルメット状と書いてあるんですが、【キュウカク 00:12:15】をなして飛んでいくということになります。これが3番で全貌に飛んでいった軌跡を表しているんですけれども、しっかり真っすぐ飛んでくれましたというのがこれが言いたいと、地上試験では言いたいということで書かせていただいております。 丸4が地上試験の、われわれこれずっと打ちっ放しで遠くに飛ばすわけではなくて、砂に一応打ち込んでおりまして、そのときの衝突の瞬間です。100メートル、打ったところから100メートル先ですけれども、地上試験なので、これが別にクレーターが宇宙でできる様子がこうとは言いませんけれども、こういった砂が噴出して、飛び散る様子も撮像されております。
衝突装置の運用の流れ
衝突装置の運用ちょっと複雑なので、後ほど模型を使ってご説明差し上げますけれども、簡単にご説明差し上げますと、これちょっとデルタVというか、起動操作っていうのは何回かやっているのですけれども、その全部は書ききっていないのですけれども、かなり簡略して書かさせていただいております。 衝突装置は探査機が500メートル、高度、直角高度500メートルぐらいまで降りていって、500メートルのところで切り離します。先ほど申し上げたように爆薬をこれ使っているので、この衝突装置っていうのは実は動作するときにばんと、本当に粉々になってしまいます。その破片が周りに飛び散るので、正直これが見えるところにいると探査機が死んでしまう可能性があるということになりますので、安全な領域というものに逃げようということが1つ、難しいところです。 で、その安全な領域と申し上げますと、どこかと言うと、もう遮蔽するものというのはリュウグウそのものしかないので、リュウグウの裏側ですね。完全に裏ではないんですけれども、いわゆる衝突装置が爆発したときに、衝突装置、直接見えないように、遮蔽されるように、裏にも回り込むということを行います。そういう退避を行うんですけれども、あと、後ほどDCAMという話が出てきますけれども、その退避の途中でDCAMというカメラを分離して、その衝突の様子を撮像することを試みるということをやります。 そのあと、実は2週間ぐらい掛けてホームポジションというところに、高度20キロの上空に戻る予定になっています。これはどうしますか。これちょっと、実は分かりやすいのかどうか分かんないんですけど、こっちがホームポジションだと思っていただければなと思います。ホームポジションで、実はこっち側に地球がある状態ですね。リュウグウはこういうふうに自転するんですけれども、タッチダウンと同じように高度20キロから降りていきまして、高度500メートル、ここで探査機が一瞬上昇に転じて、衝突装置を分離します。 分離後、しばらくたって、90秒ぐらいたつんですけれども、こっちに逃げ始める。複雑なんですけど、この辺に来たときに1キロぐらい離れるんですね。のところでDCAMを分離して、DCAMを置き去りにして、探査機がもう本当にこっちまで行っちゃうということですね。およそ爆発の瞬間には4キロメートルぐらい向こうに行くということになります。 分かりやすかったですかね。という、で、こういう退避をするっていうのは、実は今までの運用ではどこでもなかったので、これが非常に特徴的であるし、この運用の非常にチャレンジングなところで、なります。