はやぶさ2が人工クレーター実験を予定 JAXA会見(全文1)4月4~6日に衝突装置運用
衝突装置運用の目標点について
この次のページは、なぜ逃げるかっていうことが書かれておりまして、先ほど申し上げたように、爆発するときには、衝突装置そのものがもう破片を出してしまうのと、あと小惑星に衝突させたら、先日のタッチダウンの映像でもいろいろ巻き上がっておりましたけれども、いろんな巻き上がってくる物体があると思われますので、そういったものを避けるために小惑星の陰に逃げるということを行っております。 次は、衝突装置の運用の目標点ですね。なぜ今回選ばれたということなんですけど、まず場所は、先ほど久保田先生のほうからありましたように、S01といった地点の近くですね。およそ、命中精度がそんなにいいことが期待できないので、衝突予想領域は、およそ半径で200メートルぐらいになります。その当日のジオメトリの位置関係で、本当に撃つ場所っていうのが決まるんですけど、およそ小惑星の地図でいうと、北緯6度ぐらいの領域を狙っております。この辺の、なぜこれを選んだかっていうのは実は和田さんのほうが詳しいかもしれないですけど、後ほどもしあれば、補足していただきたいんですが。 選定基準に関しては、もちろん見つかるクレーターをつくれそうな場所であるということ。これも何をもってそう判断したかっていうのはなかなか難しいんですけれども。もう1つは着陸可能なエリアである。要はクレーターを空けるにしても、周りに平べったいところでないと、岩だらけのところであると、そもそもその周りに降りることは難しかろうというところで、平坦なところを選んだということになります。 今回は先ほど申し上げたように北緯6度で、経度で言うと303度を目標としています。これは実はタッチダウンのLSSというか、タッチダウンの目標点を決めるときに、もともと候補であったL12といわれる地点の近くになります。もともとL12っていうのは平坦そうだなと、相対評価ですけれども、いわれて選ばれていたので、われわれとしてはそういった地点を新たに、先日のタッチダウンとは別の地点で衝突装置の目標点として選びました。 タッチダウンの地点に撃つっていう案ももちろんありましたが、リュウグウで新たに、われわれがちょっとタッチダウン、今までL08といった地点にずっと執着してきましたけれども、そこを、ちょっと視点を変えて、新しい地点に目標を定めているという状況になります。 次が衝突装置運用のおよその時間読みですね。この降下は、先ほど申し上げたように、衝突装置が動作する時刻ですが、それが4月5日の11時53分ぐらいになります。それに合わせて、前日から降下を始めるというような、これはタッチダウンと同じように降下を始めます。およそ高度500メートル、1回ホバリングをして、分離は衝突装置が動作する40分ぐらい前になってます。衝突装置っていうのはタイマーで動作するので、そのタイマーをおよそ40分に設定するということになります。 で、その逃げる途中で、白いのが衝突装置で、ねずみ色というか、灰色の部分がDCAMなんですけど、ちょっと位置関係めちゃくちゃですけど、逃げてる途中でDCAMを離してあげて、このDCAMを置き去りにして小惑星の逆側、マイナスZといって、小惑星の反対側、今まで行ったことない反対側についに抜けるんですけれども、下に抜けて、退避をするというのが特徴的です。そのあと、もっと、今度は太陽側というか、横方向に1回離れて小惑星の上空20キロ、ホームポジションに戻るということを目指します。これが戻る期っていうのはまだいろいろそのときに状況に依存するんですけれども、現在は2週間程度掛けてゆっくり戻るということを考えております。 以上、ここまで衝突装置に関してです。 【書き起こし】はやぶさ2が人工クレーター実験を予定 JAXA会見 全文2に続く