5年後その100万円で同じ商品が買えますか?投資は「お金の置き場所」を考えることで「銀行にお金を預けっぱなし」は実質的に資産を減らす行為である
◆ペイオフ制度も盤石ではない こと企業への融資、個人向けには住宅ローンや国債を扱うこともあります。 では銀行は、お金を貸している相手が払えなくなったらどうなるかを考えたことはあるでしょうか。 銀行からお金を借りている企業が破綻はたんすれば、銀行は融資を回収することができません。 1990年代前半に、バブルがはじけた後の銀行は、約100兆円もの不良債権を処理する事態に追い込まれました。 これと同じが今後も起こる可能性は十分あるのです。 もっと言えば、今やネット銀行、ネット決済が当たり前になり、既存の銀行の経営も盤石ではありません。 以前は街なかに当たり前にあった有人の支店が、どんどん閉められているのを目にしていると思います。 LINEやPayPay といったアプリでも、簡単に送金ができる時代。 さらに銀行経営は厳しくなっていくと予想できます。 とは言え、「ペイオフで1000万円までの普通預金は守られるはずでは」と言う人もいるでしょう。 しかしペイオフ制度も盤石ではないのです。
◆「銀行は破綻しないはず」という思い込み 日本人の預貯金総額は1000兆円を超えています。 ペイオフというのは、銀行が破綻した場合、預金保険機構から預金者に支払われる制度ですが、その原資金はわずか5兆円にすぎません。 もし多くの銀行が次々と破綻したら……。 5兆円ではまったく足りないのです。 「でも、そんなに簡単に銀行は破綻しないはず」という思い込みがあるのではないでしょうか。 それは銀行の安全神話にすぎません。 最近のアメリカでも、実際に銀行が破綻した例がありました。 2023年3月、アメリカのシリコンバレーバンク(以下、SVB)が破綻したのです。 SVBはシリコンバレーにおいてスタートアップ企業や起業家個人への融資を中心に営業していました。 2023年、SVBには、購入していた米国債の金利上昇に伴って18億ドルの損失が発生しました。
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