史上最凶「ジェットコースター相場」を生き抜く方法。今後の株価はどうなる? 賃金、物価への影響は?
猛暑で相場もおかしくなっちまったのか!? 日経平均は8月5日に過去最大の下落を記録した翌日に過去最大の上昇を見せた。合わせてドル円相場も150円台から10円ほど上昇した後、再びすぐ147円に復活。 この値動きにみーんな大混乱! いったい何が起きてるの? この先株価や為替はどうなるの? 先の読めない相場の生き残り方、伝授します! ■大荒れ株価の震源地は日銀 2日連続の「史上最大」。7月末から8月までの株式相場を最も端的に表すキーワードはこれだ。 日経平均株価は4月から右肩上がりに推移しており、7月11日には史上最高値の4万2000円台をマーク。市場は株高に沸いていた。 ところが7月末から突然、株価は連日急落。8月5日は史上最大の下落幅となる4451円安を見せ、昨年10月以来となる3万1000円台に転じた。この日は東京エレクトロンや伊藤忠商事などを筆頭に、東証プライムの800超の銘柄がストップ安(1日の制限値幅の下限まで下落すること)に。 市場関係者に緊張が走ったのもつかの間、一転して翌6日は史上最大の上げ幅となる3217円高となり、激動の展開が続いている。 なぜ前代未聞の乱高下が起きたのか? 経済評論家の鈴木貴博氏が解説する。 「7月31日に日銀が利上げを発表したのが最大の原因です。一般的に利上げは経済の過熱やインフレを抑えるために行なわれ、株価にはマイナスに働きます。ただ、世の中の予想よりも早く利上げを決めたことと、今回限りではなく今後も引き続き利上げを行なうと発言したのがマズかった。これによって、ドル円が一気に円高に振れたのです」 円の金利が上がればほかの通貨と比べて魅力は高まるため、円が買われ円高となる。7月頭に1ドル=161円をつけていたが、8月5日には一時141円まで円価格が上昇した。 円高は日本の株高を支えていた、自動車や半導体といった輸出系の企業にとってはマイナスに働く。その結果、全面的な株安となったわけだ。このほか、アメリカでAI株への期待がしぼみ出したことや、同じくアメリカの7月の雇用統計が市場予想を大きく下回る結果になったことも、株安に拍車をかけたといわれる。 「とはいえ、今回の下落は狼狽売りの側面が大きいでしょう。現時点で企業の業績が大幅に悪化したわけでもないですし、3万1000円台まで下落するというのは売られすぎ。実際、8月14日時点では年初の水準である3万6000円台まで戻していますし、ここから再び大きく下落する展開は考えにくい」