毒親から逃げた漫画家・尾添椿さん「絶縁しないと意図が伝わらない」と覚悟し、親の戸籍から抜ける「分籍」を決意 退路を断って手に入れた生活で得た自己肯定感
家族の問題を解決するには「ロールモデルへの執着を手放す」こと
一度分籍したら元の戸籍には戻れない……退路を断って手に入れた生活は、尾添さんに大きな喜びをもたらした。 「好きなものを自由に食べられる、好きな服を着られる、好きな時間に遊べることがうれしく、家に人がいないのは最高です。何より、小さい頃から私の支えだった絵を描くことを続けられてうれしい。それまでは親に愛されているという期待が自己肯定感の一部でしたが、いまは親から愛されなくても自分で経験を積み重ねることで、自己肯定感を得ることができています」 家族の問題を解決するうえで大切なのは、「ロールモデルへの執着を手放す」ことだと尾添さんは語る。 「“家族三代で暮らすのが理想”のようなロールモデルをやんわり強制されると苦しくなります。大昔に描かれた理想の家族像に自分を当てはめる必要はなく、前例がないなら手本になればいいんです」 【プロフィール】 尾添椿(おぞえ・つばき)/漫画家・イラストレーター。1993年、東京都生まれ。両親と同じ戸籍から分籍し絶縁するまでを綴った『生きるために毒親から逃げました。』などコミックエッセイの刊行多数。 ※女性セブン2024年12月12日号
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