島ダイコン、アカナー、それってどんな野菜なの?宮古島の島野菜第二弾【やさいの時間8・9月号こぼれ話】
『やさいの時間』で連載中の「沖縄と北海道の家庭菜園」では、沖縄の離島・宮古島と寒さ厳しい北海道オホーツク地域から、家庭菜園情報をお届けしています。宮古島から家庭菜園情報を伝えてくれているのが東京農業大学宮古亜熱帯農場の職員である西川真衣子さん。8・9月号には、島ダイコン、アカナーなど、本州ではなじみのない島野菜の名前が登場します。ウェブだけで読める「こぼれ話」では、それぞれどんな野菜なのか、西川さんにさらにくわしく教えてもらいました。 宮古島では9月になると少しずつ日ざしが弱くなり、気温も下がってくるので、ネギ類の植えつけ、果菜類の育苗、根菜類や葉菜類のタネまきが始まります。この時期は来年の初夏まで家庭菜園を楽しむための出発時期です。
島ダイコン
沖縄には島ダイコンと呼ばれる在来の枕型のダイコンがあります。9月初旬から中旬までにタネまきをしないと十分に肥大しないことがありますが、とう立ち(花茎が上がってきてしまうこと)してもス入りが遅く畑に置いておける期間が長いため、収穫を急ぐことがないので菜園にお勧めです。 肉質が緻密でみずみずしく、甘みが強く辛みがやさしい、煮物にも酢の物にも漬物にも適したダイコンです。
アカナー
宮古島にはアカナー、沖縄本島ではシマナーと呼ばれるアブラナ科のカラシナの一種の葉物があります。宮古島で育てられているアカナーの一般的なカラシナと違うところは、葉脈が赤紫色というところです。 アカナーは在来品種で、時期になるとこぼれダネであちこちから勝手に生えてきます。アカナーのタネは売られていませんが、シマナー(葉脈が赤くないタイプ)のタネは購入することができます(しまな、沖縄しまな、沖縄からし菜などの名前がついています)。 通年栽培可能と言われていますが、夏の時期は台風被害や紫外線の強さ、気温の暑さで生育不良になったり害虫の害がひどいため、9月下旬から随時タネまきして2月頃までの栽培がおすすめです(宮古島での栽培の話です)。土づくりがしっかりできていれば、放任栽培でもよく収穫できるので菜園初心者むきです。 シマナーは沖縄全土で人気のある葉物で、塩漬けにして野菜炒めやおにぎりの具材、みそ汁、煮物の付け合わせなど食卓には欠かせない人気のある葉物です。 ほかにも8・9月号では、宮古島より15℃近く気温の低い北海道オホーツク地域でのダイコンやハクサイの栽培情報などを紹介しています。 教えてくれた人/西川真衣子(にしかわ・まいこ) 東京農業大学 宮古亜熱帯農場職員 次回の「こぼれ話」は、10・11月号に関連して、9月下旬に公開予定です! ●『やさいの時間』編集部によるテキストこぼれ話。誌面で紹介しきれなかったお役立ち情報を、ウェブサイト「みんなの趣味の園芸」で公開!【不定期公開】