推定4300万人!2000年以降<高血圧患者>が急増したワケ。薬剤師「昔は『年齢に90を足した数字より低ければ正常』といわれたが今では…」
◆高血圧患者数が増え続けているワケ 厚生労働省が2017年に行った「患者調査」では、継続的な治療を受けていると推測される高血圧症の患者数は約993万人。 2位の歯肉炎および歯周疾患の約398万人、それに続く糖尿病の約328万人に大きな差をつけて1位にランクインしています。 また、国内の高血圧症有病者数を推定4300万人とするデータもあり、高血圧症は癌や糖尿病と並ぶ国民病のひとつといえるでしょう。 ただし、ここでみなさんに紹介しておきたいことがあります。それはこの60年ほどの間に高血圧の基準数値が何度か見直され、その度に患者数が増えてきたことです。
◆年々引き下げられている高血圧の基準値 1960年代には「年齢に90を足した数字よりも低ければ血圧は正常」という診断法が主流でした。60歳ならば上の血圧が150mmHg(以下略)までであれば、特に問題視されなかったのです。 ところが1999年にWHO(世界保健機関)とISH(国際高血圧学会)が、高血圧の基準を「160/95以上」から「140/90以上」に引き下げます。 日本でも2000年にこの基準値を採用したことで、高血圧を判定する境界線がグッと下がり、同年の患者数が急増しました。 その後も基準が上下するといった変遷を経ながら、現在は上の表のような数値で血圧の分類がなされています。罹患者が多いのは確かですが、基準値の変動がいたずらにその数を増やした側面があることも否めません。 ※本稿は、『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法: 薬に頼らず劇的改善!世界一ラクな降圧法』(日本文芸社)の一部を再編集したものです。
加藤雅俊
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