日本市場でトリプル安が進む:円安けん制の長期利回り上昇容認が弊害を生み、日銀はジレンマに
6月の次回金融政策決定会合では政策変更は見送りへ
金融市場では、6月の次回金融政策決定会合で、日本銀行がQTを始めるとの見方もあるが、実際にはその実施は、短期金利の引き上げが進んだ後の来年半ば、あるいは後半になるのではないか(コラム「日銀追加利上げと量的引き締めはどちらが先か?」、2024年5月21日)。 6月の金融政策決定会合では、政策変更は見送られると見ておきたい。短期金利の引き上げは、賃金、物価統計を確認した後、最短で9月になると現時点では予想する。仮に円安がさらに進む中で、日本銀行が7月の会合で追加利上げを実施する場合には、事前に明確なメッセージを送るだろう。現時点では、そのメッセージは出されていない。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
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