なぜ西武の辻監督は松坂大輔の開幕2軍を決めたのか?「いい時の松坂ではない」
「まだまだ。彼はスピードうんぬんじゃない。球のキレ、コントロール、腕を振れたか…(が重要)で、そういうところを見ると悪くはないが、いい時の松坂ではない。今は、試合に投げられるというだけで、まだまだ精度が上がってこないと」 カムバック賞を獲得した2年前の中日時代から、動くボールを主体に打たせて取るピッチングスタイルに変貌はしているが、辻監督が、指摘する通りに、腕の振りと変化球のキレ、そして何よりスピードは、せめて、あと2,3キロはプラスしないと通用しない。 辻監督は、当初、3月22日の開幕第3戦に松坂を先発させる予定でいたが、その段階での調整では、「それくらいのあれ(ボールの質)はあった」という。まだ調整不足なのだ。 この日、先発した”サブマリン”与座海人が4回1失点と結果を残して、ローテーション投手に一人目星はついたが、先発陣に余裕があるわけではない。 しかし、辻監督は、松坂の開幕2軍を明言した。 「まだまだですよ。故障明けで投げられるかどうか、ということでの1イニング。ここで1イニングしか投げられないなら、開幕は無理でしょう。下(2軍)でしっかりローテーションで投げられるようになれば、上の方で投げる機会も出てくると思います。彼が“いける“というところになれば投げさせます」 松坂は、9日から2軍に合流。まず2軍で中6日のローテーションに入り、100球をメドに投げられるようになることが、1軍昇格の条件。「下で100球ちかく投げられないと上の先発は考えられない」と辻監督。中6日の間隔で、3イニング、5イニングとペースを上げていくと考えると、2軍のゲームで最低、3試合、3週間は時間が必要になるのかもしれない。西口投手コーチも、「下でしっかりと投げて、結果を出してもらいたい。ちょっとずつ状態は上がっている。このまま上がってもらえれば、ドームのマウンドに立つ日もそう遠くはないと捉えている」と、松坂の1軍デビュープランを語った。