後半戦スタートは10年ぶりのブラジルで 今季のタイトルを占う大事な一戦に~FIA世界耐久選手権(WEC)の第5戦プレビュー~
プロトタイプカーであるハイパーカークラス、FIA GT3車両で争われるLMGT3クラス、この2クラスの混走により争われるFIA世界耐久選手権(WEC)の第5戦が、ブラジル、サンパウロのインテルラゴスにおいてサンパウロ6時間レースとして開催される。ル・マン24時間を終えて後半戦のスタートとなるが、今回も性能調整が行われレースの行き先は見えない。タイトル争いはポルシェ、フェラーリ、トヨタガズーレーシング(TGR)の三つ巴となっているが、このレースを制して後半戦をリードしていくのは?
興奮のほとぼりが冷めないファンもいるかもしれないが、6月のル・マン24時間は最後の1分まで結果が分からないという非常に緊迫したレースとなった。フェラーリの燃料がゴールまで持つのか、それともTGRが最終周に大逆転を演じるのか?しかしフェラーリの燃料がギリギリ持ち大会連覇を果たした。そして今回から残り4戦の後半戦突入となり、開催地は欧州から離れることになる。
今回もハイパーカークラスにはシリーズ5連覇中のTGR(トヨタ・ガズー・レーシング、2台)、プジョー(2台)、フェラーリ(3台)、ポルシェ(5台)、キャデラック(1台)、アルピーヌ(2台)、今季より参戦のBMW(2台)、ランボルギーニ(1台)、そしてイソッタ(1台)、9メイクスの19台がエントリー。
LMGT3クラスは、アストンマーティン、BMW、フェラーリ、マクラーレン、ランボルギーニ、フォード、レクサス=トヨタ、コルベット=GM、ポルシェ各2台の計18台がエントリーしている。
第5戦の舞台となるインテルラゴスは、1940年に設営された南米最大の都市サンパウロにあるサーキット。アウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェと飛行機事故で亡くなったグランプリドライバーの名前が冠されている。F1GPは80年代にリオデジャネイロのジャカレパグア(現在は廃止)で開催されていたが、1周7,960kmから4.309kmに短縮改修された90年に戻って来た。また当地でWECが開催されるのは2014年以来10年ぶりとなる。コースは左回りのレイアウトで、1~3コーナーは下り、4~5コーナー過ぎから上りと変化。ヘアピンからまた下り、最終コーナーから緩やかに上っていくというアップダウンにも富んだコース。