大学受験生の親がすぐに実践できる! 子どもの勉強モチベーションアップ方法
大学受験をする子どもの勉強期間は長期に及ぶので、モチベーションが低下することもあるでしょう。そうした子どもの姿を見て、親の立場から「何かアドバイスするべきかな?」「黙って見守っていたほうがよいのだろうか?」などと悩む場面も出てくるはずです。 本記事では、私が運営する大学受験専門AXIV ACADEMYで、実際に受験生の保護者からさまざまな質問や相談を受け、アドバイスしてきた答えのなかから特に重要なものや、皆さんにお願いしてきたことなどをお伝えしたいと思います。 【表】難関大に現役で合格するには、 1日あたり何時間学習時間が必要か?
子どもにとって親はドリームキラーにもなり得る存在
大学受験では受験生本人のやる気が最も重要とはいえ、孤独な受験生活のなかでモチベーションを維持することは、そう簡単なことではありません。モチベーションの低下はそのまま学力の低下につながります。逆にモチベーションが上がれば、それに伴い学力もアップし、大学の合格可能性もまた高まっていくことは間違いありません。 では、子どものやる気を保ち、モチベーションを向上させていくために、保護者はどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
受験生の親が注意すべき行動
まず、何よりも心掛けておかなければならないのは、“ドリームキラー”には決してならないことです。ドリームキラーとは、他人が抱いている夢や掲げている目標に対してネガティブな言葉を投げかけて、やる気を失わせる人のことです。大学受験では、とりわけ保護者・先生・友人などの身近な人たちが、無意識にドリームキラーになっている場合が多々あります。 保護者は子どもよりも経験が多い分、現実的な面から物事を捉えて子どもの考えを否定してしまいがちです。たとえば「医者になりたいから医大を受験したい」という子どもに対して、「学費が高いから無理」「今の偏差値では受かるわけがない」と、つい否定から入ってしまうことはよくあります。 親心から何気なく言ってしまうネガティブな一言を、子どもはまるで自分の未来を否定されたかのように受け止めてしまいます。将来に夢と希望を抱き、その実現のために勉強をがんばろうとしているのに、「無理ならやめようか………」と受験に対する意欲を失うことになりかねません。実際に、保護者・先生からの言葉に悩んでいる高校生から「こんなことを言われたのですが、どうしたらいいでしょうか……」と相談を受けることがよくあります。 学費の問題は奨学金を受けたり、私立よりも授業料が安い国公立に入学したりすることで解決できます。また、偏差値は勉強時間と戦略の工夫次第でアップさせることが十分可能です。まずは本人のモチベーションを高めて、勉強に取り組む「一歩」を踏み出せるよう背中を押してあげることが大切です。進みたい大学やなりたい職業など、子どもが思い描いている将来のビジョンを否定するような言動は絶対に避けましょう。 「親の自分が一番わかっている。この子に◯◯は向いていない」などと初めから否定することなく、「自分と子どもは育ってきた環境も時代も価値観も違う。どんな職業にも就ける可能性がある」とポジティブに受け止めてあげてください。 その上で、どうしても子どもの進路に関して「このまま黙って見過ごしていれば、大変なことになるかもしれない」と危惧するところがあるのなら、テーブルを挟んで目の前に子どもを座らせるなどして真剣に話をする環境・雰囲気をつくり、そこで大人としての考えをまっすぐに伝えるべきです。そのようにすれば、子どもは「頭から否定された」と感じることなく、親の意見を「自分のために言ってくれたんだ」と受け止めることができます。