大学受験生の親がすぐに実践できる! 子どもの勉強モチベーションアップ方法
子どもの勉強モチベーションアップ方法3:家庭における環境づくり
勉強に対するモチベーションを維持するためには、家庭における環境づくりも非常に大切になります。まずは、子どもの周りに勉強の妨げになるものがないかをチェックしてみましょう。 たとえば子どもの部屋にテレビや漫画があると、ついついテレビを見たり、漫画を読みふけったりして勉強に集中できなくなります。こうした子どもの勉強時間を奪ってしまうおそれがあるものは、最大限取り除く必要があります。 ただし、これは親が一方的に取り上げるのではなく、本人の意思で行わなければ効果がありません。現在の環境が大学合格のためにはマイナスになっていることを話し、本人に自覚させ、自分から勉強の妨げになるものを排除させましょう。 環境づくりの他に、生活習慣の見直しも重要です。まずは今の習慣を「見える化」してみて、勉強時間に充てるべき時間帯を見極めていきます。 時間軸で整理すると、自分がどんなことに時間を費やしているかが一目瞭然になります。そうすると、ほとんどの子どもが“無駄な時間”を自発的に“勉強時間”に置き換え、率先して行動するようになるのです。 テレビやスマホで視聴しているドラマなどがあれば、それが将来の自分と今の自分のために必要なものかどうかを一つずつ確認していきます。すると「このドラマだけは見たい。1週間の楽しみでやる気が高まる」などといった答えが返ってくることもあります。それでも、本当に必要なもの以外はすべて排除すべきです。 友だちとの遊びやSNSなども同様に改善しつつ、就寝時間が遅い場合や休日の起床時間が遅い場合も改善案を提示することで、生活習慣を見直します。勉強時間を増やし、なおかつ勉強の質を高めるためには、今まで述べてきた環境づくりと生活リズムの可視化が重要になります。この二つが揃うと、勉強を習慣化することが容易になるのです。 家庭で同様の取り組みを行う場合、子ども一人ではそれまでの習慣を簡単に変えられないでしょうから、毎週1回は親が確認し、もしできていればほめて、できていなかったときにはどうすればできるようになるかを、子どもと一緒に話し合う必要があります。 また、先にも触れましたが、子どもをどのようにスマホから引き離すのかも考えなければなりません。スマホには辞書や翻訳のように勉強にも役立つ有益なアプリや機能なども備わっているため、「一方的に取り上げてしまうのはどうだろうか」とためらう保護者もいます。ただ、スマホの管理を子ども任せにしてしまうと、勉強もせず娯楽系の動画を延々と見続けたり、友だちとSNSで長々とメッセージをやりとりしたり、いたずらに時間だけが過ぎていくことになりかねません。 強い意志を持って自分の行動を厳しく管理できるような子どもなら別ですが、そうでなければ勉強中は基本的に保護者が預かるか、勉強部屋とは別の場所に置き、「インターネットで調べものをしたい」「英語の学習アプリを使ってリスニングの練習をしたい」などの必要に応じて、その都度取りに行くようにするのが望ましいでしょう。 家ではどうしても気が散って勉強に集中できないような子どもや、住環境に制約があって勉強する環境が整いづらい子どももいるはずです。そのような子どもは塾・予備校の自習室や、有料自習室、近所の公立図書館の自習スペースなど、自宅以外に勉強できる場所を確保することが必要になります。自宅であれ外であれ、「その場所では勉強するしかない」という環境を確保することが重要になります。