「ハナミズキ」「小さな恋のうた」「残酷な天使のテーゼ」――令和も歌い継がれるカラオケロングヒットのわけは #昭和98年
時代の波にもまれ移りゆくカラオケ
ここ数年の傾向では、平成の曲はランキングを落としている。その要因は2020年からの音楽産業の構造変化にあると柴氏は指摘する。 「ストリーミング中心になって、YOASOBIや優里といったネット発の曲が国民的ヒットを打ち出したことで、ヒット曲がカラオケに戻ってきました。例えば2016年には、10~20代はボカロやアニソン中心、30~40代がJ-POP中心、50代は昭和~平成の曲、60代が演歌・歌謡曲といった世代間ギャップがありましたが、その壁を超える曲が生まれています」 コロナ禍を経て、カラオケの楽しまれ方にも変化が起こった。 「家庭で通信カラオケができるようになったり、巣ごもり消費が高まったりして、家族もしくは個人のパーソナルなレジャーとしての側面も持ち始めました。今後は一定の揺り戻しが予想される中で、旧来のような二次会の定番といったイメージだけでなく、それぞれの人に合った消費のされ方をしていくでしょう」 時代とともにカラオケも変わる。そこでは今後どんな歌が歌われるだろうか。 (取材・文/遠藤雄士)
「#昭和98年」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。仮に昭和が続いていれば、2023年で昭和98年。令和になり5年以上が経ちますが、文化や価値観など現在にも「昭和」「平成」の面影は残っているのではないでしょうか。3つの元号を通して見える違いや残していきたい伝統を振り返り、「今」に活かしたい教訓や、楽しめる情報を発信します。