国道に傾く巨木…市の特別天然記念物 倒木の危険は?専門家も注視し安全対策【長野・松本市】
松本市のある国道について、視聴者から手紙が届きました。 そこには「恐怖を覚えながら無事に通り抜けられますようにと祈りながら運転しています」などと書かれています。同封されていた写真を見ると、大きな木が道路にせり出しています。倒木の危険はないのか、取材しました。 ■記者リポート 「松本市街地から上高地へ向かう国道158号線です。ここですね。松、確かに道の方にせり出してますよ。」 道路に傾くように、アカマツが、波田小学校の敷地から伸びています。松本市などによると、通行人や近隣住民からたびたび倒木を懸念する声が寄せられるといいます。 一帯にはおよそ450本のアカマツがあり、小学校のシンボルです。 ■三輪千子校長 「ここが1番の遊び場で、朝登校すると1番にここに来て鬼ごっこしたり、かくれんぼしたり、秘密基地に潜ったりして遊んでる子が多い場所です。」 波田小学校のアカマツ林は元々、松本藩の「御林(おはやし)」の一部として保護されていました。樹齢が200年を超えるものもあり、松本市の特別天然記念物に指定されています。 ■三輪千子校長 「小学校の敷地約4万平方メートルのうち、その半分、2万平方メートル余りの区域がアカマツ林ということなので、多分他の学校にはない松林がある環境なのかなと思います」 学校は、もちろん、道路に傾いたアカマツの存在を把握しています。 ■三輪千子校長 「地域の方も子供たちのことを心配してお電話いただくこともありますし、観光でいらした方が大丈夫なんですかって言ってご連絡をくださることもあります。」 今年5月、中野市の一本木公園で木が倒れ、小学生が軽いけがをしました。そのような事故がないよう、松本市・文化財課ではアカマツ林の生育調査を専門家とともに定期的に行っています。 ■文化財課・百瀬耕司さん 「やはり、枯れた松も松林の中には何本か点在しておりますので、そういったものが確認された場合にはですね、学校と協議しましてすぐに伐採ということで対応はしております。」 今年も、倒木の危険があるアカマツは伐採したと言います。とは言え、国道に傾いたアカマツの状態が気になります。 ■文化財課・百瀬耕司さん 「今回のこの松に関しては、ご覧の通り枯れた枝も特にありませんし、専門の先生方も特段今すぐどうこうっていう緊急的な対応をした方がいいっていう話もありませんので、とりあえず様子は注視はしていくということで、今後もそれは続けていくつもりです。」 学校でも日々、パトロールをしているそうです。 ■三輪千子校長 「職員が必ず点検をするように分担をしたり、毎日お掃除の時に職員が見たりしながら、松はちょっと枯れてるとかいうような情報のやり取りは確認しながらやっています」 国道に傾いたアカマツは現状、倒木の危険はないということですが、雪の重みで折れるなどの可能性はあるため、市と学校では引き続き注視していくとしています。