「妊娠は待てと言われました」オリンピックに挑戦する女性選手が直面する問題とは?
小さな一歩
2023年6月、スポーツ担当相のアメリー・ウデア=カステラが、スポーツ省で近々強化選手の出産問題について検討すると発言し、クラリス・クレメールの一件は新たな展開を迎えた。その数ヶ月後、私たちの取材に対してスポーツ省事務局は「政令により、2024年1月から、妊娠・出産した強化選手についてはリストへの登録期間が1年から2年に延長されます。パフォーマンスやランキングに影響が出た場合の保障を強化するためです」と返答した。「近日中に専門家委員会が設置されることになっています。トレーニングへの復帰、授乳、移動など、出産に関わる手続きや準備の面で、選手がより適切なサポートを受けられるよう競技連盟を支援するのが目的です。2024年第2四半期には、フランス全土に配置される担当スタッフの一覧表が利用者に公開されます。2024年第1四半期には、競技連盟に登録する医療スタッフを総動員したプライマリ・ケアのネットワークが整備されます」。行政主導の措置というレベルを超えて、スポーツ界で本物の文化変革が起きるかどうか、それが分かるのはこれからだ。
出産問題で奔走するスポーツ省
2022年1月、女性選手たちの要求に応えて、スポーツ省は「ハイレベルスポーツと出産の両立は可能です」と題された、あらゆる競技の強化選手候補、そしてハイレベルなプロの審判やトレーナーに向けたガイドを発行した。その目的は、バースプランの立て方を指導し、子どもを持つ・持たないの選択をする際のアドバイスを提供すること。そして、選手たちが出産に対して抱く不安を払拭し、落とし穴を回避するためのアドバイスやサポート手段、さらには選手たちの権利について情報を提供すること。このガイドには近々、「運動とスポーツ/アダプテッド・スポーツと子宮内膜症」と題された4ページが追加される。これも女性選手たちにより多くの情報を提供するためだ。2023年6月5日に開催されたスポーツ関連雇用・職業グルネル会議で、スポーツ相は技術指導スタッフや審判など、女性従事者が少ない職業での女性の地位改善を目指した議定書の実施を通知した(2020年にプロスポーツの審判で女性の占める割合は38%、2021年にスポーツ関連学位を取得した女性は全体の39%)。 「ハイレベルスポーツと出産は両立可能です」sports.gouv.fr
text: Anne-Laure Pineau (madame.lefigaro.fr)