ヤマモリの業務用タイフード ハラル認証取得で商機拡大
ヤマモリは、業務用タイフードの主力アイテム5品でハラル認証を取得した。同カテゴリーでは、今期も「グリーンカレー」や「ガパオライス」などを中心に、広く外食・中食チャネルに本場の味を提案しているが、食ニーズの多様化やタイフード市場の拡大、インバウンドの増加などを背景にハラル対応を強化。商機を広げていく。 同社は88年にタイ王国へ事業進出し、00年から現地製造したタイカレーの販売に着手した。04 年には完全自社資本のサイアムヤマモリでの生産を開始。14 年にハラル認証(タイハラル)を取得して、日本でも18年から家庭用「タイカレー」シリーズで順次ハラル認証を進めてきた。現在は「グリーン」「レッド」「イエロー」「マッサマン」の4品が該当する。 そして今回、外食・中食需要の取り込みに向け、業務用レトルトタイフードでもハラル認証を取得。対象商品は、具を入れて調理するタイプの「グリーンカレーソース」「レッドカレーソース」「イエローカレーソース」「トムヤムペーストプレミアム」「ガパオソースプレミアム」(各500g)の5品で、現行品の販売完了後、24年10月以降、順次切り替わっていく。 タイ料理の中でも人気のメニューが手軽に作れるこれら5商品のハラル認証の取得により、 好調な日本国内のインバウンドと外国人居住者の需要の取り込んでいきたい考え。「タイフードの需要は首都圏が突出して高いが、外食・業務用でハラル商品の提案が可能となったことで、インバウンド消費の取り込みを狙う国内各地の観光スポット等への提案が進めやすくなる。当社製品は本場タイの自社工場で、指定農場のフレッシュハーブを使用し製造している。商品の品質、安全性基準の高さもアピールしながら採用拡大につなげていきたい 」(営業本部マーケティング統括部、以下同)。
「プーパッポン」注目度アップ
同社の業務用タイフードでは、引き続き「グリーンカレーソース」や「クッキングベース グリーンカレー」、「ガパオソースプレミアム」などが堅調な推移を見せているが、「今年はプーパッポンに面白い流れが見られる。メニューのポテンシャルは高かったが、知名度はグリーンカレーやガパオライスに比べると差が大きかった。それがここにきて注目度を高めている」という。 ビールのTVCMで「プーパッポンカレー」というワードが飛び出し話題となったほか、恒例の「タイフェスティバル」でも同メニューを目的に来場・来店するファンが増加。地元東海地区では、同社直営のタイレストラン「サイアムガーデン」が監修した「プーパッポンカレー弁当」がスーパーの惣菜として販売した。 家庭用タイカレーの販売動向でも、一般的な食品スーパーの売れ筋は「グリーン」「イエロー」「マッサマン」の順だが、「業務用はまだまだだが、その分伸びしろも大きい」として一層の認知向上とファン層の拡大を目指す。