台風10号 南寄りに進路変更 本州付近で迷走の可能性も 北陸への影響も長期化か
台風接近前から大雨・短時間強雨 秋雨前線とセットで危険な組み合わせ
台風10号は、まだ北陸地方からは離れた位置にありますが、間接的な影響は既に出ています。28日は、秋雨前線が北陸の沿岸まで南下し、前線に向かって台風由来の暖かく湿った空気が流れ込むでしょう。このため、大気の状態が非常に不安定となり、夜遅くにかけて局地的な激しい雨や雷雨のおそれがあります。 28日夜遅くにかけては、1時間に30~40ミリの激しい雨が降り、29日6時までの24時間雨量は、石川県で最大で100ミリとなる見込みです。警報級の大雨となるおそれもあります。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に注意・警戒してください。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意してください。 北陸地方では、これまでに降った雨や令和6年能登半島地震の影響により地盤の緩んでいる所があり、29日にかけて雨の降りやすい天気が続くため、今後も少ない雨量で土砂災害の危険度が高まるおそれがあります。
台風接近前までに行う対策は
台風10号の北陸地方への最接近は31日の午後からとなっており、現段階で3日前となっています。台風接近前にやることは、こまめに気象情報を確認し、最新の台風情報でいつごろから雨や風が強くなるか、台風のコースの予想に変化はないかを確認してください。台風の進路や速度の予報は大きく変わることがあるためです。 ハザードマップの確認 雨や風が強まる前にハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を確認しましょう。浸水や土砂災害などの危険の高い場所を確認し、その場所を避けてたどり着ける避難先を決めましょう。その際、複数の避難場所や避難経路を決めておくことが重要となります。大雨による浸水や暴風による倒木・電柱の倒壊により、普段安全に通行できるところが通行止めになるおそれがあるためです。 非常用品の準備 食料や飲料水・照明器具などの備えをしておきましょう。食料や飲料水の賞味期限、照明器具は正常に作動するか?電池は足りているかも確認しましょう。停電に備えて、スマートフォンの充電器は電池式または大容量のモバイルバッテリーがおすすめです。雨や風が強まり始めると思うように動けなかったり、物流が止まる可能性もあるため、なるべく早めに確認するようにしましょう。 側溝などの掃除 浸水対策として、側溝や雨どいなどの掃除をしましょう。ゴミや落ち葉・砂などがたまっていると、排水できずに水があふれて、浸水してしまうおそれがあります。
日本気象協会 北陸支店 和田 玲央奈