今後の価格上昇は避けられない?大阪・名古屋などの新築・中古マンション市場動向を徹底解説! 価格推移と注目物件も【2024年10月最新市況】
2024年8月の関西・中部圏のマンション市場(※10月現在では8月データが最新となる)は、先月に引き続き全体として好調を維持している。関西圏の新築分譲マンション市場動向は、発売戸数は減少したものの契約率は3カ月連続の70%超と好調だ。今月も関西・中部圏の新築マンション市場動向のほか、新築マンションと中古マンションの市況、そして注目のマンション「プラウドタワー名駅」と「グランドメゾン名古屋駅」(愛知県名古屋市)について解説する。 宝塚南口駅前で建設中のツインタワマンの予想価格は?
関西・中部圏の新築マンション市況【2024年8月】
2024年8月の関西・中部圏の新築マンション市場は、おおむね好調に推移している。関西エリアでは戸当たり価格、㎡単価ともに前年同年比で2ケタ上昇した。 関西・中部圏の新築マンション市況について、詳しく見ていく。 関西エリア(大阪府・兵庫県・京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県) 2024年8月の新築分譲マンション発売戸数は632戸、対前年同月比28.0%ダウン、対前月比58.5%ダウン。2カ月ぶりに前年同月を下回った。 契約率は72.2%、前年同月比6ポイントダウン、前月比では10ポイントダウンだが、3カ月連続で70%超え。平均価格は4926万円、㎡単価は83.9万円で、ともに2ケタアップとなった。 未販売在庫数は8月末時点2390戸、前月末比158戸の減少となった。発売戸数の減少は、初回売出し物件が6物件・77戸と少なかったため。前月に初回売り出し物件が大量供給されたためだ。 下のグラフは、過去3年間の近畿圏の新築マンション価格(平均価格)と契約率の推移を示す。 近畿圏(関西)の新築マンション価格と契約率の推移 平均価格をエリア別にみると、大阪市内の平均価格は前年同月比プラス10.3%の4,386万円と、全体平均を上回る。㎡単価は大阪市で91.4万円と高い水準だ。神戸市は6,528万円、京都市は5,789万円と、前月に続き神戸市と京都市で価格の高さが目立つ。特に神戸市は㎡単価でも96.3万円ともっとも高い。 なお、2024年9月の発売戸数は1300戸程度の見込みとなっている。2023年9月の発売戸数は1393戸だった。 中部エリア(富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県) 愛知県を中心とした中部エリアについては、新築マンションの月別データはない。今回は、国土交通省が8月発表している、主要都市の高度利用地等における地価動向をまとめた「地価LOOKレポート(2024年第2四半期)」を分析してみる。 名古屋圏8地区(すべて名古屋市内の住宅地・商業区域)ではすべての地点で前回と同じ「0~3%上昇」となっている。地価やマンションの動向をまとめると以下の通りだ。 ・名古屋駅周辺エリアでは、リニア中央新幹線駅整備等に伴う再開発まちづくり計画が進むなか、取引価格の緩やかな上昇傾向が続いており、地価動向はやや上昇で推移している。 ・高層マンション等の開発を目的としたマンション開発用地についても、立地条件によって選別する動きが見られながら、デベロッパー等の需要は総じて堅調な状態が続いている。そのため、取引価格の緩やかな上昇傾向が継続し地価動向はやや上昇で推移している。 ・昭和区や東区など名古屋市中心部の立地条件の良い住宅エリアでは、建築費の上昇を背景にマンション分譲価格がやや上昇傾向で推移した。 ・マンション分譲等の事業では、優れた立地条件等によって幅広いエンドユーザーが見込まれるため、マンションデベロッパー等の物件選別の動きや住宅ローン等の金利動向は注視する必要はあるものの、地価動向はやや上昇が続くと予想される。