日本水連が総括発表 「金を含む複数メダル」の目標は遠く…「たら、ればではあるが」で悔やむ不振要因とは 【パリ五輪】
日本水連は5日、パリ五輪の競泳競技が4日で全日程が終了したことを受け総括談話を発表した。今大会で日本が獲得したメダルは男子400メートル個人メドレーの松下知之(東洋大)の銀一つで、メダルなしだった1996年アトランタ五輪以来の低水準となった。「金を含む複数のメダル」の獲得を掲げてパリに乗り込んだが目標は遠く、今回は日本記録の樹立も遠かった。 ■SNS騒然「合成…じゃないよね」橋本環奈が降臨【写真】 もちろん松下とともに、明るい話題もあった。日本勢の五輪競泳代表で史上最年長の代表となった鈴木聡美(ミキハウス)=福岡県遠賀町出身=は、女子200メートル平泳ぎで4位入賞を果たした。記録は2分22秒54で、自己ベストこそ届かなかったが、2018年以来の22秒台をマーク。前半100メートルは2012年のロンドン五輪で銀メダルを獲得した際の、自己ベストの2分20秒72を上回るペースだった。 同400メートルメドレーリレーでは3番目の平泳ぎで、金メダルをつかんだ米国のキングに次ぐ1分5秒08のラップタイムをマークするなどして5位入賞に貢献。松下とともに、苦しい戦いが続いた日本チームの光となった。 日本水連は「金メダルを含む複数メダルの獲得目標には及ばなかったが、リレーを含めれば16人、約6割の選手が決勝レースを泳ぐ事ができた。五輪決勝という世界最高峰レースの大歓声を受け、まさに『オリンピック』という雰囲気の中で泳げたことは、何にも代え難い経験と価値であると思う」とした。 その上で、鈴木の快挙には「競泳選手の可能性と展望を大きく広げた」とし、松下については「若手選手たちの入賞は2028ロサンゼルス五輪につながる成果」と前向きに捉えた。 パリ五輪に向けては、昨夏に福岡市で開催された世界選手権後の検証も踏まえて、今年3月の選考会後の強化プランを作成。国内や海外合宿、準高地および高地トレーニングなど、選手の特性を生かせる多様な強化合宿パターンの選択制を採用し、チーム力強化も踏まえた2度の合同合宿を組み合わせて行ったと説明。「その成果は十分に期待できるレベルにあったが、結果的に、3月選考会のタイム、自己ベストタイムに届かない種目が多数であった」と振り返り「『たら、れば』ではあるが少なくとも選考会タイムで泳いでいれば、メダル・入賞の目標達成率は高いレベルにあった」とした。 掲げていた目標を達成できなかった要因として「選考会タイムを超えられなかったこと」とし「この4カ月の強化練習を経て、選手の競技力が低下することはあり得ない。何が足りなかったのか。昨日(4日)代表コーチミーティングを行い、それぞれの実感や意見を聞いた。環境面、メンタル面、強化体制の検証など、考えられるさまざまな課題が上がった」と明かした。ミーティングの意見に加えて、選手からも五輪の実感やレースの分析、代表強化合宿プランや大会期間中の環境など課題や要望を聞き取りする方針で、現場の声を反映しながら「ロス五輪に向けた4年プランでの強化体制を確立したい」と見通しを示した。 【#OTTOパリ五輪情報】
西日本新聞社