今年の世界選手権で６位入賞を果たしたイ・ヘイン。２年後の五輪をキャリア最盛で迎えるはずだったが…。(C)Getty Images

　韓国フィギュアスケート界がスキャンダルに揺れている。渦中の人物となったのは、昨年３月の四大陸選手権でキム・ヨナ以来14年ぶりに韓国選手として金メダルに輝いた、イ・ヘインである。 【画像】ロシア・フィギュア界が誇る絶世の美女、アリーナ・ザギトワの厳選フォトをお届け！ 　瞬く間に国民的な人気を博した19歳だったが、今年５月に重大な違反行為が明るみとなる。イタリアで開催された韓国代表の合宿で他の女子選手とともに飲酒した事実が発覚。さらに未成年である後輩の男子選手にセクハラ行為をしたことも追求された。１か月に及ぶ調査を経て、韓国のスポーツ公正委員会はイ・ヘインに３年間の「代表資格停止処分」という厳罰を下したのである。 　イ・ヘイン側は飲酒の事実を認めて謝罪しつつも、セクハラ行為に関しては完全否定した。後輩男子選手は恋人であり、その事実が伝わらないなかで厳しい処分に至ったと主張。公正委員会に再審議を訴えたが、８月29日に棄却され、あらためて処分が確定した。さらなる法的手段を検討しているようだが、２年後に迫るミラノ・コルティナダンペッツォ五輪への出場は絶望視されている。 　そんななか、被害者とされてきた後輩男子選手も代理人を通じて声明を発表。「韓国氷上競技連盟による調査で、男子選手は『イ・ヘイン選手の行動が犯罪行為に該当するとは思わない』と話した。公正委員会との対話でも『イ・ヘイン選手の処罰を望む』や『イ・ヘイン選手の行動に対して羞恥心を感じた』と言ったことはない」と明かしている。 　 　そのうえで、同代理人はイ・ヘインへの厳罰が確定して以降、男子選手への誹謗中傷がエスカレートしていると強調。「虚偽の噂と推測に基づいた異常なまでの非難や脅迫が加えられている。明白な犯罪行為であり、悪意あるものには法的措置を敢行するつもりだ」と力を込め、誤解によって激怒するファンの自制を促した。 　どこかすっきりしないまま、幕引きを急いだ感が否めない一大騒動。まだまだひと波乱もふた波乱もありそうな気配だ。 構成●THE DIGEST編集部