高橋宏斗が開けた"再加速"への扉!立浪竜が首位カープに3連勝、残る課題は?
週末の名古屋は、連日35度を超す猛暑に襲われた。しかし、ドラゴンズファンにとっては、そんな暑さも心地よく感じられたのではないだろうか。本拠地バンテリンドームを舞台に、首位を走る広島東洋カープに3連勝したのである。(敬称略) 【動画】最強の二遊間誕生!?ファインプレイ連発! ロドリゲス【1分18秒~】 田中幹也【1分31秒~】
知っていますか「マダックス」
「マダックス」という言葉が飛び交った。2024年7月5日の夜である。いつの頃からか「キャリアハイ」とか「スイープ」とか、プロ野球にも英語表現が使われるようになった。普通に「自己最高」とか「同一カード連勝」とかでいいと思うのだが、この「マダックス」は少々説明が必要だろう。 「100球未満で完封すること」であり、メジャーリーグ殿堂入りを果たした投手に由来する。生涯にその快挙を13度も達成したグレッグ・マダックス投手、その名前から付けられたのである。そして、ドラゴンズの高橋宏斗(※「高」は「はしごだか」)が初めて達成した。
"エース級"宏斗の熱投
開幕ローテーション入りこそ逃したものの、高橋宏斗は安定したピッチングを続けている。ストレートの伸びもよく、スプリットの切れもいい。大きく崩れることはなく、そのマウンドは見ていて安心できる。首位カープとの初戦、初回にいきなり先頭の秋山翔吾にヒットを許したものの、その後は危なげない投球が続く。8回を終えたところで、投げた球数は85球だった。 本人も「意識した」と言うが、「マダックス」という意味を知っていたファンも、それを楽しみにして9回を迎えた。得点は2対0でリード、9回を三者凡退に抑え完封したところで99球。まさに「100球未満」ぎりぎりの"マダックス"達成だった。このところカード初戦をまかされている高橋宏斗、「エース」と呼ぶのは早いが"エース級"の活躍であることは間違いない。
福永は打撃でも守備でも…
高橋宏斗力投の翌日は、2年目の福永裕基が躍動した。3回裏には、先発の梅津晃大からの3連打で迎えた1死満塁のチャンスに、きっちりと犠牲フライを打って先制点。福永はとにかくバットの振りが力強く潔い。さらに、その福永が魅せたのは守備だった。 2対1で迎えた9回裏、ライデル・マルティネスが背負った1死2、3塁の大ピンチに、代打の松山竜平が打ち上げた3塁ファールフライを、背中を向けながらもスライディングキャッチ。それだけでも上手かったのだが、タッチアップで本塁を狙った3塁ランナーの俊足・羽月隆太郎を送球で刺した。このダブルプレーで試合終了。ランナーの背中を意識しながらも「ここしかない」というコースで投げた、そんなプロの技を見せてもらった。これで2連勝。