加速する介護事業者の「倒産」、過去最悪のペースへ…「“利用者さんのため”に、事業拡大はしない」が招く本末転倒
まずは自社のBSをプロに見てもらうことからスタート
一般論としてBSの勉強をするのは大変です。けれど、自社のBSや介護業界のBSを読むだけであれば、それほど難しいことではありません。 まずは自社のBSを税理士と銀行員に確認してもらうのがよいと思われます。そうすれば、自社の問題点や状況を教えてもらえます。 ただその際に、債務償還年数や自己資本比率、長期固定適合比率など、謎のワードが飛び交い、会話が成立しなくなることがあるので、それを理解するためにChat GTPなどを活用するのも効果的です。 そして、自社の実際に“あるべき姿”と“現状”のギャップを知り、そのギャップをどうしたら埋めていけるかを考えながら学習するようになると、徐々に自社のBSが見えてきて、他社のBSも理解できるようになっていきます。 それが一定身に付いてくると、YouTuber税理士を参考にするのもよいかもしれません。というのも、教科書外の世界観を伝えてくれるので、より柔軟にBSを見ることが可能になるからです。 私自身、毎朝、当社の会社状況をチェックしています。 やはり介護業界で生き残るためには、経営者は常に学びの姿勢を忘れてはいけないと思います。事業規模の拡大に向けて、経営の知識や技術を習得すべきですし、事業規模が大きくなると、それを維持するために、また違う能力が必要になるので、そのための学びが必要になります。これが今、経営者に求められることだと思います。 高浜 敏之 株式会社土屋 代表取締役 兼CEO 慶応義塾大学文学部哲学科卒 美学美術史学専攻。大学卒業後、介護福祉社会運動の世界へ。自立障害者の介助者、障害者運動、ホームレス支援活動を経て、介護系べンチャー企業の立ち上げに参加。デイサービスの管理者、事業統括、新規事業の企画立案、エリア開発などを経験。2020年8月に株式会社土屋を起業。代表取締役CEOに就任。
高浜 敏之