「これほど官能的で理想的なスポーツカーをピュアEVで成立させるのは、さすがのポルシェでも無理(言っちゃった)」by 河村康彦 第5位はこのスポーツカー!
「MTが選べる点では絶滅危惧種」by 藤島知子!
雑誌『エンジン』の大人気名物企画、「エンジン・ホット100ニューカー・ランキングス」。「いい・悪い」ではなく、「身銭を切ってでも欲しいかどうか」、「そのクルマにどれだけ大きな愛情を注げるか」に加えて、今年はオリンピックイヤーにちなんで「時代のトップランナー」も選考テーマとした。44名のホット100選考委員のジャーナリストと編集部員、そして今年もEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2024年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。まずは2024年版のホット100に選ばれた上位20台をカウントダウン形式で発表する。5位にランクインしたのは貴重な自然吸気エンジンを搭載するこのスポーツカーだ! 【写真22枚】第5位にランクインしたポルシェ718ケイマンGTS 4.0の写真で見る ◆第5位! ポルシェ718ケイマンGTS 4.0 196pt 11人のジャーナリストが高い順位に立て続けに選んだものの、昨年の4位からわずかに順位を下げ5位となったのが、自然吸気4リッターフラット6を搭載するケイマンだ。 人間、現金なもので「もうすぐなくなる」と言われると、俄然気になったり、急に愛おしくなってしまったりするもの。そういう意味でも「電動化する前に手元に残しておきたい至宝のひとつ」という藤野太一さんのコメントが、今回ポルシェ・ケイマンGTS4.0に投票した皆さんの気持ちを見事に表していると言って良いだろう。 その魅力はなんと言っても「もはや911にもGT3系しかなくなった自然吸気フラット6の濃密な味わいを、しかもミドシップのバランスのいいハンドリングで楽しめる」(エンジン村上政編集長)ことに尽きるのだが、同等のスペック、もしくはそれ以上で、もっと新しいモデルは他にもある。 ではなぜ、登場からしばらく経つケイマンGTS4.0に支持が集まるのか? まず「NAエンジンってやっぱり気持ちいい~。格別なんです、この爽快感。何を隠そう、いまのポルシェのラインアップでは、いちばんのピュアスポーツではないかとも思ったりして」と竹岡 圭さんが言う通り、パワー、サウンド、レスポンス、そして味わい共に五感を刺激するフラット6エンジンの存在は欠かせない。「エンジンがとても愛しく感じられた」(斎藤 聡)、「ドライバーの背後で吠える6発のサウンドにはやっぱりゾクゾクする」(エンジン村山雄哉)「やはり自然吸気フラット6に乗っちゃうと……」(エンジン新井一樹)と大の大人に言わしめるエンジンなんて、他にはフェラーリV12くらいしかないんじゃないだろうか。 また、どんなに美味しい料理も貧相な器では台無しになってしまうように、400ps/420Nmのフラット6の旨味を余すことなく味わえるのは、堅牢で、軽量で、適度なサイズ感と所有欲を満たすデザイン、ディテールに溢れた熟成極まったシャシーの存在も大きい。 それでいながら石井昌道さんが「アルピーヌA110から唯一乗り換えてもいいかなと思えるモデル。自分はスポーツカーにもデイリーユース性を求めるのでGT4RSだとトゥーマッチ」と話すように、2シーターながら「ハッチゲートと荷室を備えた現代のカジュアル・ポルシェ」(島下泰久)という気軽さ、実用性の高さを併せ持った総合力の高さもまた、魅力なのだ。 そしてもう1つA110乗りの石井さんが「羨ましいのはMTが用意されていること」といい、藤島知子さんも「MTが選べる点では絶滅危惧種」と賛同する。節度感に溢れた小気味のいい6MTが選べるというポルシェの良心に加え、ポルシェ・ファナティックの島下泰久さんに「右のPDKでサラッと乗りたい」と言わしめるほど、7段PDKとの相性もバツグン。ベテランにも、ビギナーにも「クルマでスポーツしようぜ!」(EPC会員・和田昌也さん)と、気兼ねなく勧められる懐の深さも持ち合わせている。 だからこそ「これほど官能的で理想的なスポーツカーをピュアEVで成立させるのは、さすがのポルシェでも無理っしょ(言っちゃった)」と思わず心の声が漏れてしまった河村康彦さんの気持ちが良くわかる。 ◆ポルシェ718ケイマンGTS 4.0 全長×全幅×全高=4405×1801×1276mm。ホイールベース=2475mm。車両重量は1450kg。車体中央に搭載される4リッター自然吸気フラット6は最高出力400ps、最大トルク420Nmを発揮し、6段MTないしは7段デュアルクラッチ式自動MTを介して後輪を駆動する。車両価格=1262万円 文=藤原よしお 写真=茂呂幸正(走り)/神村 聖(細部) ◆ポルシェ718ケイマンGTS 4.0には11人が投票した! 196pt/藤原20pt+石井19pt+河村19pt+竹岡19pt+村上19pt+斎藤18pt+藤島17pt+新井16pt+島下16pt+村山16pt+藤野14pt+EPC3pt ◆718ケイマンGTS 4.0に投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はENGINEWEBでチェック! (ENGINE2024年9・10月号)
ENGINE編集部
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