【娘のきもち】「正月は嫁ぎ先で過ごすべき」里帰り出産で見た優しい父親の顔。母親の逝去で知った父の強がり~その1~
高校3年間は冷戦状態。一度開いた距離は埋まらないまま、どんどん交流は無くなっていき……
高校生活は序盤で父親と険悪になり、その後は冷戦状態に。家族との食事にも留美さんは参加することをやめるなど、3年間ほぼ会話はなし。短大に進学後は日常的な会話をする関係には戻ったそうですが、家族の誰かを間に挟んでの会話がほとんどだったそうです。 「お互いもう怒っていないんですが、何を話せばいいのかわからないんですよ。嫌いじゃないけど好きじゃなかった。父親は一番上の姉と仲が良くて、姉が就職してからは職場が近かったのかよく一緒に出社していました。そんな姿を見てもちっとも羨ましくなかったし、どちらかというと興味が姉にいってくれて清々していました」 留美さんは短大在学中に日本料理屋のアルバイトを始め、そこで見習いの板前をしていた8歳上の男性と恋愛関係になります。付き合いは短大を卒業後も続き、輸入雑貨や美容機器を扱う企業で働き出したばかりの時に彼が地元に戻ることになり。 「付き合って2年ほど、仕事を始めて半年も経たないぐらいの時期でした。元々彼は実家の飲食店を継ぐために京都の料理屋で見習いをしていたんです。本当ならもう少しこっちにいるみたいだったんですが、彼の父親が体調を崩して、戻って来いってなったみたいで。彼は私について来てほしいと言いました。私は仕事を始めたばかりで悩んだんですが、彼について行くことにしたんです。 私は向こうで仕事を探すつもりでいました。まだ23歳だったし。でも、彼が私の家に挨拶に来た時に、父親から『結婚』という言葉が出てきて……」 自分の意思とは関係なく進んでいく結婚話。そして徳島での新しい生活、妊娠。里帰り出産で父の優しさを知り、母親の急逝で父の強がりを知る。 【~その2~は関連記事から。】 取材・文/ふじのあやこ 情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。
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