1日7回以上の下痢、大学の授業中もトイレと往復…過敏性腸症候群で苦しんだ看護師が語る、仲間との出会いで得た希望
オフ会を主催し続けて“当事者の繋がり“を増やす
オフ会で仲間と交流する中で、淡雪さんの心には変化が。過敏性腸症候群であることへのネガティブな気持ちが薄れていき、「前向きに治療しよう、絶対に治して過敏性腸症候群で悩んでいる人の力になるんだ」と思うようになっていったのだ。 「オフ会があったから、辛い症状があっても頑張れました。ひとりじゃないと勇気づけられたし、効果があったものを情報共有できたのも嬉しかった。オフ会は私にとって、大きなものでした」 前向きな気持ちで病気と向き合い始めた淡雪さんは仲間から教えてもらった情報を参考に、お腹や自律神経にいいと言われているものを試すように。 「市販薬や処方薬はもちろん、整体や鍼灸、食事療法も取り入れました。中でも私に効果があったのは、鍼灸とお腹に優しい食事療法でした。ガス漏れ対策として、消臭パンツも使用しました」 地道なセルフケアは実を結び、現在、淡雪さんの症状は改善傾向にある。 「過敏性腸症候群は周りになかなか理解されないどころか嫌がられることもあり、本当に辛い。私もそのひとりだったから、痛いほど気持ちが分かります」 そう話す淡雪さんは、今もオフ会を主催している。今年の夏には、お腹に優しい米粉を使って「タコパオフ会」を開いた。 オフ会終了後には「前向きになれました」というメッセージを貰い、やりがいを感じることもある。 「飲み友ができたとか、今まで怖くて恋愛ができなかったけれどオフ会で出会った人とお付き合いしたという話も聞くことがあり、嬉しくなります」 過敏性腸症候群は、ひとりで抱え込まないことが大切。機会があれば勇気を出して、オフ会に参加してみてほしい。そう伝える淡雪さんは、同じ苦しみを抱える仲間の“これまで”を優しく労わる。 「毎日、辛い思いをしながら頑張って生きていて素晴らしいです。諦めなければ、いつか良い方向に進むと私は信じていますし、あなたが良くなった時、人の痛みがわかる優しい人間になっていると思う」 ひとりで病と闘う苦しさを知っている淡雪さんは、自分へのDMで辛さを吐き出してほしいとも話す。 「自分が夢中になれるものを見つけて、少しでも過敏性腸症候群のことを忘れられる時間を作ることも大切かもしれません」 そんなアドバイスを送れるのも、淡雪さんが過敏性腸症候群と真摯に向き合ってきた証だ。淡雪さんが明かす“これまで”や、辿り着いた“今”は、笑顔を失った当事者に刺さることだろう。 (まいどなニュース特約・古川 諭香)
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