【40代・50代が知っておきたい美容の疑問】顔のマッサージは、顔をたるませるってホント? しないほうがいいの?
たるみを改善しようと、顔をマッサージしたり、コロコロローラーでケアしたりしている人は少なくないと思うが、やり方によってはたるみを加速させてしまうという説も。その真偽を皮膚科専門医の慶田朋子先生に伺った。間違った方法でケアをしていると、老化を進めてしまうことがあるのでご用心!
強いマッサージは、コラーゲン線維や靱帯にダメージを与え、たるみを加速させるリスクが
肌のためによかれと思って、毎日、顔のマッサージをしている人や、コロコロローラーなどのマッサージ器具でケアをしているという話はよく聞く。でも近年、美容意識の高い人の間で、なるべく肌に触らないようにする“摩擦レス”を心がける人が増え、“マッサージってしないほうがいいの?”と疑問や不安を感じている人もいるのでは? その真偽について、慶田朋子先生に伺った。 「実は、肌をこすって摩擦するメリットはほとんどありません。肌のハリは、真皮層のコラーゲン線維によって支えられていますが、加齢劣化していき、たるみやすくなっていきます。また、皮膚や脂肪を支える靱帯も加齢とともに緩むので、ただでさえたるみやすくなります。そんな状態に追い打ちをかけるように肌をこするようなマッサージを頻繁にすると、コラーゲン線維や靱帯が伸びたり切れたりして、たるみが加速してしまうことに。 特に皮膚は横でも縦でも水平方向(こする)の刺激に弱く、垂直方向(押す)には比較的強いのです。なので、水平方向にマッサージするとよりたるみやすくなります。また、マッサージローラーなどの道具は、皮膚を奥からつかんで引っ張るものが多く、皮膚の薄い部分などに刺激を与えるとコラーゲン線維や靱帯によりダメージを与えやすいので要注意。 垂直方向に押すマッサージも、繰り返すと色素沈着を招く原因に。特に“かっさ”のようなプレートで皮膚を過度にこすり続けると、色素沈着が起きやすくなってしまいます。 また、肝斑も物理的な刺激で増えることがわかっているので、頬骨のあたりなど肝斑ができやすい部分を強くマッサージするのは厳禁。 つまり、マッサージはやればやるほどいいと思っていたら大間違いで、やり方を間違えるとデメリットのほうが多いことを知っておくべきです。マッサージをすると顔が引き上がった感じがすることもあるかもしれませんが、それは筋肉が一時的に収縮したためで、効果はそれほど長続きしません」