「うちの社長、また偉そうなことを言っているよ…」“冷めたシラケる現場”を変えるシンプルな方法
世界的宗教には多くの場合、拠り所になる文書がある。キリスト教の『新約聖書』、イスラム教の『コーラン』、ユダヤ教の『旧約聖書』などだ。 拠り所となる文書があるからこそ、現在に至るまで信仰を腹落ちさせながら受け継がれてきた。 文章だけではなく、ビジュアルイメージの伝わる絵画も重要だ。 キリスト教や仏教の宗教画などは、「センスメイキング」のための有用なメディアと捉えられるだろう。 ■「文章や絵の力」を最大限に活用すべし
日本でメディアを使って「センスメイキング」を進めている企業のひとつは、ソフトバンクだろうか。 同社は多くの動画を使って、社員や入社希望者を啓蒙する。動画を使って、孫正義氏などの経営陣が描く同社の未来を何度も流すのだ。 いまや動画を誰でも作れる時代になったのだから、企業が「センスメイキング」の手段として動画を作ることは、私も多くの企業にすすめているところだ。 このように、「成功する企業」と「宗教」のあいだには、やはり共通点は多い。
繰り返しだが、それは両者とも「人」「組織」「信じるものへ向かって進む」という意味で、本質が同じだからだ。 その本質をあざやかに切り取るのが「センスメイキング理論」なのである。
入山 章栄 :早稲田大学ビジネススクール教授