故障で苦しんだ五輪&世界陸上入賞者の廣中璃梨佳が今季初レース 過去2回区間賞の3区でパリ五輪代表らと対決【クイーンズ駅伝】
そのカロラインがケニア人選手としては初めてJP日本郵政グループに今年入社。憧れの廣中とタスキをつなぎたい思いがカロラインにはあった。「カロラインが入社したときは故障をしていて、練習することがずっとできませんでした。カロラインが(一緒に練習することやタスキを)待ってくれていると聞いたときはうれしかったですね。そういう選手とタスキリレーをしたい」 カロラインのことを話す廣中の表情は、生き生きとしていた。 廣中に対してだけでなく、カロラインの加入はチームへの影響も大きい。これまでと違いインターナショナル区間の4区で、多少の後れは挽回できる。昨年までは3区で大きなリードを奪う役割が廣中にあったが、今回は3、4区セットでその役割を果たせればいい。復帰レースの廣中にとっては、気持ちの部分でかなり楽になるのではないか。 カロラインの存在だけでなく、故障からの復活のプロセスで「色々な人に助けてもらった」と言う。「故障をして、周りの人に自分の状況を正確に伝えることの重要さがわかりました。どういう伝え方をすれば伝わりやすいのか。本格的な練習を再開できてからも、自分が感じていることと、スタッフが見た動きなどを、すり合わせることが大事なんだと」 チームメイトでは「(同期の)菅田雅香がキャプテンになって、チームを引っ張ってくれています」と感謝の言葉を口にした。 菅田は競技面でも成長を見せ、今季は日本選手権10000mで5位入賞。日本トップレベルの力を付けた。昨年と同じ1区に起用されたが、前回の区間12位を大きく上回るのは間違いない。菅田が1区を上位でつなげば、3、4区の廣中&カロラインのタスキリレーでトップに立つ展開も期待できる。 日本郵政というチームがあっての廣中の復活であり、廣中の復活で日本郵政の優勝争いの可能性が高まった。 ■しまむらに移籍した安藤友香の自覚 3区ではしまむらに移籍した安藤友香の走りにも注目したい。