故障で苦しんだ五輪&世界陸上入賞者の廣中璃梨佳が今季初レース 過去2回区間賞の3区でパリ五輪代表らと対決【クイーンズ駅伝】
その年の3区は東京五輪マラソン6位の一山麻緒(27、資生堂)も終盤まで食い下がった。20年優勝のJP日本郵政グループ、21年優勝の積水化学、22年優勝の資生堂と、3年間の優勝チームのエースが競り合う名勝負だった。 その廣中が今シーズンは故障で苦しんだ。TBS取材で「競技人生で一番と言えるくらい辛かった」と振り返った。 「右ヒザが1月から6月くらいまで、走っては痛くなって、を繰り返していました。日常生活で曲げ伸ばしをするだけでも痛みがありましたね。今思うと焦りもあったのだと思います。やっと走り始めたら仙骨の疲労骨折で7月からまた走れなくなって、8月初めにやっとドクターから走る許可が出ました。2カ月以上も走れなかったのは初めてで、苦しかったです」 世界ランキングでパリ五輪代表に選ばれる状況だったが、今季の状態では代表としての走りはできないと判断。事前に辞退することを申し出ていた。 「パリ五輪に出たい気持ちもありましたが、出られなかったからこそ得られたものもあります。苦しいことが多かったのですが、学べることも多かった。気持ちの面では殻を破ったというか、前の自分より強くなれたと思います。今回の経験を糧に、復活した廣中璃梨佳を良い形でスタートできるように準備していきたいですね」 ブランクの影響はゼロではないだろう。これまでの廣中のレベルが高かっただけに、それを上回るのは簡単なことではない。だが、そのレベルに向かって行く心の準備はできているようだ。 ■廣中、カロラインのタスキリレーで優勝争いを その廣中が「楽しみにしている」と言うのが4区のカリバ・カロライン(20)とのタスキリレーだ。 カロラインは鹿児島の神村学園高3年だった昨年、インターハイ1500mと3000mで2年連続2冠を達成。全国高校駅伝アンカー(5区5km)でも2年連続区間賞で、昨年は2人を抜いて優勝テープを切った。1500mの4分06秒54、3000mの8分40秒86は両種目とも高校国内国際最高記録である。