首都高「ETC専用」が9割に!? 2030年度には地方も含めた全線がETC専用化へ!
「ETC専用」の料金所が徐々に増えてきた最近の首都高速道路。先月発表された計画では2025年度中に9割まで拡大するという。ETC専用入口導入の効果と、今後の計画はどうなっているのか、確認してみよう。 【画像】2026年度からの予定がスゴイ! ETC専用化のロードマップがこちら
首都高料金所のETC専用化は効果があったのか?
首都高速道路株式会社は、首都高でのETC専用化を推進するため、3月末に国土交通省や関係地方公共団体らとともに「第1回 首都高速道路ETC専用化連絡調整会議」を開催した。この会議では、ETC専用化が開始されてから2年間で起きた変化や、導入の進捗状況に、利用者の声などが共有された。 ■数値で見るETC専用化の効果 2020年2月に首都高で初めてETC専用入口を設けて以来、2022年4月までに計35カ所でETC専用入口を設置。1日あたりの通行台数は、日交通量の約15%にあたる約15万台が利用している。 ETC専用化は安全性の向上に大きく寄与している。ETC専用料金所を設置して以降、ETC車と現金利用車の混在が減ったことで流れがスムーズになり、接触事故が25件から14件まで減少(※)。また現金利用車による一旦停止が減ったことで、追突事故は27件から18件まで減少したという。これは率直に素晴らしい効果と言えるだろう。 ※ETC専用化前後の1年8か月の期間に集計
ETC専用レーン利用者のこれまでの反応は?
では、ドライバーたちの使用感はどうなのだろうか? 2023年にETC専用入口に対する顧客満足度調査が実施されたので、回答した9372人の利用者たちの意見を確認してみよう。 まず、ETC専用化について、「満足している」が64.0%、「どちらでもない」が24.8%、「不満」と感じている人は8.1%という結果となっている。肯定的な意見は、スムーズに通れることや、渋滞緩和に繋がっていること、人件費のコストカットになる、といったコメントが挙がっている。逆に否定的な意見は、緊急時に係員がいないので不安だと感じた人や、代車やレンタカーなどでは利用できないと感じた人、周知が足りず、ルールが分からないと感じた人の意見もあったようだ。 実際、ETC専用入口への“誤進入”は、現在も1カ月あたり1.5万台にも上るという。その大半はETC専用入口を初めて利用する人や、レンタカー利用者だそうだ。普段から運転する人にとっては、路面や看板に描かれた“紫色”が視野に入っていれば、それがETC専用を意味していると気づくはずだが、外国人利用者を含め、見慣れない人には判断が難しいということだろう。 首都高速ではこのように誤進入した場合の対応として、料金所に「サポートレーン」を併設している。インターフォンやカメラで利用者の連絡先・免許証を確認後、ドライバーは後日「支払チラシ」を受取り料金を支払うことになっている。 しかし、誤進入の事後処理は複雑(カードの期限切れ、挿し忘れ、現金で払えると勘違い、外国人相手、常習犯などで対応が異なる)であるため、係員への負担が大きくなる問題も新たに浮上しているという。この問題に対し、首都高速道路では、路面への紫色のカラー舗装や、横断幕、看板などでの案内や、遠隔オペレーションの円滑化に向けた取組みを実施し、今度はさらに不正通行の取締まりも強化していく予定だ。