首都高「ETC専用」が9割に!? 2030年度には地方も含めた全線がETC専用化へ!
ETC専用化は順調……じゃなかった?
最後に、国土交通省と高速道路会社6社による、ETC専用化のロードマップ(2020年12月時点)を見てみよう。導入は順調に進んでいるのだろうか? 首都高では2025年度中に、現在の35か所から160か所程度(全179か所のうち9割)まで導入を予定している。本来であれば、すでに現時点でかなりの数のETC専用入口が増えているはずなのだが、2022年4月から2024年4月現在に至るまで、実はまったく増えていない。それはなぜか? 実は、首都高の資料によると、ETC専用入口160か所(計380レーン前後)の整備には半導体が約1200万個必要で、これらの納期が遅れていることが原因だという。最も不足しているのは「PCAリニアIC(料金所カメラに使用)」と「PCAレギュレータ(車両検知器に使用)」で、これらが約1.4万個ほど遅れているそうだ。 これらの半導体は、最新の半導体とは異なる「レガシー半導体」であるため、高性能な半導体よりも逆に生産数が絞られていたそうだ。しかし、ようやく今年の9月に納入が開始される見通しが立ったという。つまり、最短でも2024年9月以降から2026年3月にかけて、残り120か所以上の首都高入口がいっきにETC専用化されるということだ。 首都高以外の高速道路でも、2025年度までには8割程度までETC専用化が進み、2026~2030年度には地方も含めた全線がETC専用化される予定だ。交通の円滑化や管理コストの削減につながるETC専用化が、予定通り実現できるのか、注目しておきたい。
文=KURU KURA編集部 資料=首都高速道路