ゲーリー・プレーヤーのドライバースウィングをAIで分析【レジェンドを最新テクノロジーで大解剖②】
スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎にレジェンドゴルファー、ゲーリー・プレーヤーのスウィングを解説してもらった。 1970年当時のゲーリー・プレーヤーのドライバー正面連続写真
こんにちは。SPORTSBOX AI 3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回は年末年始のレジェンド特別編の第2弾として、「南アフリカの黒豹」ことゲーリー・プレーヤーのドライバースウィングをスポーツボックスのデータと共に解説させて頂きます。 プレーヤーは身長170cmと小柄な体格ながら、ハードなトレーニングでグランドスラムを達成し、アーノルド・パーマー、ジャック・ニクラスと共に「BIG3」の1人として知られています。そんなプレーヤーのスウィングは、以下の3点がポイントです。 ①左手首の角度が大きいトップと切り返し ②右ひざのフォワードプレスで、右にスウェイしない準備 ③右足が一歩前に出る独特のフィニッシュ それでは早速チェックしてみましょう!
左手首の角度が大きいトップと切り返し
まずは「左手首の角度」(LEAD WRIST ANGLE)に注目しましょう。左手首の角度はトップで69度、切り返し(P5。左腕が地面と平行のポジション)で78度と、いずれも左手首が90度以上曲がっていることがわかります。その結果、トップでクラブは地面と平行の位置以上に大きく動いています。 スポーツボックスAIが独自で調査した、左手首の角度の海外男子ツアーレンジは、トップで70度~92度、切り返しで73度~89度ですので、プレーヤーは現代のツアープロと比較すると左手首の角度が大きく、クラブのタメが大きい選手だったことがわかります。プレーヤーが全盛期の60~70年代は、まだパーシモンヘッドにスチールシャフトが使用されており、小さなヘッドで重く硬いクラブで飛ばすには、「クラブのタメが大きいスウィングが必要」とされていた時代でした。プレーヤーの左手首は、それが忠実に表れているデータと言えますね。