巨額放映料払う米NBCは「聖火リレーは廃止せよ!」…海外メディアは東京五輪聖火リレーのスタートをどう報じたか?
「劇場のような聖火リレーというショーをなくすべき別の理由がある。(聖火リレーは)五輪聖火を通じて彼らの信条を広げる手段として、1936年の夏季五輪でナチスによって考案されたものだからだ」と、1936年のベルリン五輪で始まった聖火リレーが、当時、ドイツ政権を担っていたナチスの政治的なプロパガンダとして利用されたという経緯があったことを紹介。 「現代では、聖火リレーを(政治的な)プロパガンダとして使うことは少しばかり困難な道のりにはなってきた」としながらも「2008年の北京夏季五輪での聖火リレーは、『調和の旅』と組織委員会によって名付けられていたが、チベットを支援する人権活動家たちは、自分たちの主張を表現する機会として利用し、街々で、小競り合いが起きていた」という事象があったことを伝えた。その上で、「今回も、福島の活動家たち、そして日本中の人々が、聖火リレーが始まる前に、リレーを止めるように呼び掛けていた。我々は(その声に)耳を傾ける時だ」と否定的な意見で締めくくった。 NBCは、東京五輪組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言を行った際にも「辞任すべき!」との意見記事を掲載。一度は、留任に傾きかけた動きにストップをかけるほどの影響力を与えたことがある。 また経済誌であるフォーブス誌は、「東京2020五輪の聖火リレーが1年延期の後、新型コロナウイルスのパンデミックが続く中で、開催に強い反対があるにもかかわらず、大会開催へ向けた日本の決意を示すためについに始まった」と批判的な論調で報じた。 記事は「聖火リレーは2011年に津波や原発事故の引き金となった2011年の強烈な地震があった福島県から始まり、この後、4カ月間、続いて数千人の走者が参加する」、「日本では大勢がパンデミックを考慮して大会に反対し、世論調査で半数以上が延期か中止を望んでいる」といった現状を紹介。 「このスポーツ行事を1年遅らせることになった新型コロナウイルスのパンデミックの問題だけでなく、東京2020大会は多くの性差別の騒動に見舞われた」と、東京五輪組織委員会の森喜朗会長が、女性蔑視発言により辞任に追い込まれた問題などが起きたことを皮肉を込めて伝えた。