「10年経った被災地、世界の人に見てもらいたい」 橋本聖子会長、25日開始の聖火リレーで
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は24日、記者会見し、翌25日から聖火リレーが福島県のJビレッジから開始するとしたうえで、「(東日本大震災からの)復興への貢献は東京2020大会の源流」「聖火リレーでは少しでも長く被災地を走ることができるよう福島、宮城、岩手においては3日ずつ走行することになっている。聖火リレーを通じて、10年経った被災地の姿を世界の人々にご覧いただき、震災直後に世界から寄せられた支援に対して、感謝の気持ちを伝えられれば」と述べた。
橋本会長は「7月23日にオリンピックスタジアムで聖火台にこの火が点火されたとき、世界から集うアスリートの心に何にも代えがたい勇気を湧かせることを確信している」と強調。聖火リレーは1万人のランナーによって121日間かけて全国をめぐる。橋本会長は「希望の道をつなごう、というコンセプトを体現するように、行く先々の人々に希望、元気、力が届くことを願っている」とした。
元「なでしこ」監督が第一走者、澤さんは辞退
会見では、第一走者となる、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」元監督の佐々木則夫さんも同席。東日本大震災が起きた2011年に開かれたワールドカップで優勝した際の監督で「われわれ、なでしこジャパンの聖地でもあったJビレッジからのスタート。我々が選考されたということは名誉として選手ともども感謝している」と語った。 佐々木さんは「今回のスタートに当たり、残念なことがあった」とし、元日本代表の澤穂希さんが体調不良のためランナーを務めることを断念したことを明かした。佐々木さんによると、澤さんは2、3か月前から三半規管の調子が良くなく、「本当に彼女も参加したいという思いの中で準備してきたが、昨日、電話があり、『どうも調子がまだ良くない』と(告げられた)」と語った。