第161回直木賞受賞会見(全文)大島真寿美さん「これからも淡々と書いていく」
劇団活動の経験と受賞作との関係は?
中日新聞:中日新聞の【マツザキ 00:08:37】と申します。このたびはおめでとうございます。 大島:ありがとうございます。 中日新聞:大島さんは作家の活動を始められる前に、名古屋で劇団を旗揚げされて活動しておられた時期があったと思います。そのことも、今回の受賞作にテーマとしては相通ずるものがあるのかなというふうに思うのですが、あらためて、そのころのことですとか、この作品に対する絡みとかをお聞かせいただければと思います。 大島:それは書こうと思ったわけではないんですけれども、その経験は溶かし込まれていたなっていう気はしていました、書いているときに。 中日新聞:例えば、創作とは何かというテーマがこの作品では繰り返し出てくると思うのですが、そのようなことを、例えば劇団活動されているときですとか、作家になられてからでも構わないんですが、お考えになられていたっていうようなことはありますか。 大島:それはだんだん自覚するようになって、だんだん湧き上がってくるようになってきた。ずっとやり続けているっていうことで、これはどういうことなのかっていうのを自分の中で疑問に、疑問っていうか、分からないから書きたくなってきたところはあります。 中日新聞:今作では、それをある程度書かれたと思うのですが、まだ、ある程度書き切ったと思われるか、それとももう少し書きたいことがまた出てきたとかっていうようなことはあられますか。 大島:ただそれをテーマにして書いているっていうつもりがないので、1つずつ、やっぱり自分が書き始めた世界をきっちり書き終えたいっていうふうにやっているので、だからここで書き切れなかったからここで書くっていうものではなくて、1つずつやっぱり表れてくる。 中日新聞:ありがとうございます。 司会:ありがとうございます。じゃあ残り3問ほどとさせていただきます。じゃあ。挙手されている方。今、マイク回ります。 男性:回していただけますか。