実は、褒め方にもコツがあった!? 親が知っておきたい、子どもの自己肯定感を上げる「褒め方の極意」
子どもに伝わる「ほめ方」って?
「ほめているのに、子どもにいまいち伝わってないかも…?」発達特性のある子どもの自己肯定感を上げるため、積極的に声掛けをしてほめているのに、当の子どもがいまいち伝わっていない…。という経験はありませんか? アメリカ人はなぜ、「自己肯定感」が高いのか? アメリカ在住シングルマザーが痛感した日本との“大きな違い” 実は「ほめ方」は言葉によるものだけではないのです。 そこで今回は、小児科の医師であり、自身も3児の母である西村佑美さんが、1万組以上の親子を診てきた経験や、発達特性のある子の子育ての実体験をもとに書いた書籍『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)を一部抜粋してご紹介します。 肯定的にほめることで、子どもは必ず伸びます。シーン別の「ほめ方」の例も解説されていますので、ぜひとも実践してみてください。
「肯定的な注目=注目してほめる」は子どもの脳にとってごほうび
子どもの自己肯定感を上げる方法、それは「肯定的な注目=注目してほめる」です。 人間は、ほめられたり感謝されたりといった心地よい刺激や行動があると、脳の報酬系回路と呼ばれる部位が活性化され、快感をもたらすドーパミンの分泌を増やします。「ほめられる」ことは、子どもにとって「ごほうび(報酬)」なのです。 「声かけしても、切り替えが苦手でなかなか動いてくれない」というお悩みをもつママ、パパは多いと思います。下の図のように、子どもと目を合わせて小さな指示を出し、行動したらすぐほめる習慣をつけてみてください。 その経験を毎日の生活でコツコツ積み重ねていくと子どもは「ちょっとめんどうなことをがんばってやると、ほめてもらえる」「ママ、パパの言うことを聞いてがんばると、いいことがある!」と学んでくれます。そして声かけでスムーズに動いてくれるようになり、子育てがラクになっていきます。
ほめ方は言葉だけじゃない! 肯定的な注目とは
ほめ方は「ほめ言葉」だけでなく、次の「アイコンタクト+笑顔」「ジェスチャー」「スキンシップ」をシーンに応じて使い分けると、ほめられたことが”ごほうび”として実感しやすくなります。 【 ほめ方の種類 】 ● アイコンタクト+笑顔 背後からではなく、必ず子どもの視界に入り(正面)、目が合ってから笑顔でほめ言葉をかけるのが大事なポイント。ニコニコ顔の表情からも「きみのがんばりを認めているよ」と伝わって子どもの喜びがアップします。 ● ジェスチャー 苦手なものを食べられたとき、着替えを自分で一生懸命やったとき、トイレへ嫌々ながらも行ってくれたとき…子どもが何かをがんばったら、ジェスチャーも使ってきちんと表現すると、「ママ、パパががんばりを認めてくれた!」と伝わります。 【例えば…】パチパチと拍手をする、バンザイする、手のOKポーズ、GOODポーズ、(遠くから)手を振る、(ありがとうと言いながら)頭をペコリ、など。 ● スキンシップ ほめ言葉だけだと、自分がほめられていることが実感しにくい「種まき期~めばえ期」の子どもには、ニコニコの笑顔+ほめ言葉+スキンシップをセットにすると「うれしい!」気持ちが高まります。 【例えば…】タッチ、ハイタッチ(子どもからパチン!とタッチさせる)、わき腹こちょこちょ~、頭をよしよし、背中にふれる・軽くトントン、ぎゅっと抱きしめる、など。 ● ほめ言葉 「すごい」「上手」「できたね」だけではなく、経過をナレーションする、感謝するなど、ほめ言葉にはバリエーションがあります。次のページからのほめ方を参考にしてください。 次回は、小さい子にも伝わりやすい、スキンシップやジェスチャーをセットにしてほめる方法や、具体的な“ほめフレーズ”をご紹介します!